ガトー・ウイークエンド・シトロン、地中海風 R#031

お断り:以前ここあったレシピ「R#031 あると便利~ マンゴー・ビューレと生クリームのソース」は「R#014 豚ひれ肉で作るサルティンボッカ」のレシピと統合されそちらのレシピ内に移動しました。ここをクリックするとそこへジャンプできます。
久しぶりにデザートのレシピです。ガトー・ウイークエンド・シトロンはフランス料理のデザートとされていますが、そのさわやかな味わい、シトロン(柑橘)の香り、そしてバターケーキにしては、しっかりとした固さで崩れにくいという特徴をぜひ地中海料理に生かしてみたいと思い、多少のアレンジを加えたウイークエンド・シトロンを作ってみました。ウイークエンド・シトロンという名前も、このケーキが日持ちがよく、持ち運びに適するというところから、週末のピクニックやショート・バカンスに最適のお菓子という意味でこの名前が付いたのだそうです。そのさわやかな風味はレモンで出すのが定番のようですが、今回はより香りも高く、酸味がまろやかなライムを使いました。今回はラウンド・ケーキ型とパウンド・ケーキ型と二つ作って、ラウンド・ケーキ型の方だけに定番通りピスタチオをのせています。

このケーキのお勧め賞味期間は出来上がってから(オーブンから取り出した時点から)数時間後に始まり翌日いっぱい迄です(その後でも美味しいけど、ベストの味ではありません)。面白いのは、できたばかりの時はバターナイフでも切れるくらい柔らかいのですが、数時間経つと切るのに刃のついたナイフが欲しいぐらい固くなっいるのに驚かされることです。粗熱が取れたら蓋のできるタッパーウエアのような容器に入れて常温(夏は冷蔵庫)で保存することをお勧めします。何よりもしっとりした口あたりと、ライムの香り高い優雅さを楽しみたいならぜひそのお勧めの時間帯内に...。

材料:(直径15cm深さ6cmのラウンド・ケーキ型にほぼ半分の量のケーキ1個と縦17cm横8cm深さ6cmのパウンド・ケーキ型にほぼ半分の量のケーキ1個の計2個のケーキを作る量。あるいは、直径15cm深さ6cmのラウンド・ケーキ型に満杯の大きさのケーキ1個だけを作る量)

無塩バター 100g
グラニュー糖 50g
2個
アーモンド・プードル 40g
薄力粉 160g
ライム汁(塗液用) 大匙2
粉糖(塗液用) 120g
ピスタチオ 好みの量
ライムカード 下掲の材料でできる量

[ライムカード]
_ライム汁 1個分
_無塩バター 100g
_グラニュー糖  120g
_卵 2個
_ライムの皮 2個分

作り方:



1.ライムは半分に切って絞る。しぼり汁は1個分ずつ異なる用途に使うので、量がわかるように別々の透明なカップなどに入れておく。ライムの皮(2個分全部)をグレイダーなどで細かくおろす(写真1)。ピスタチオは殻を割り、グリーンの濃い粒を必要量だけ選んで渋皮を取り除く。それそれの粒を半分に割り、更にナイフで半分に切っておく。

2.ライムカードの材料全部(ここで使うライム汁は1個ぶんだけ)をミルクパンのような容器に入れる(写真2)。写真は最後のライムの皮のすりおろしまで入れ終わったところ。80度前後に沸かした湯の中で湯煎する(写真2)。たえず泡だて器でかき回すこと。あれば料理用温度計などを使って温度が一定になるようにしたい。高すぎると卵が固まってしまうし、低すぎるといつまでたってもトロンとしてこない。しばらくかき回しているとカスタードクリームのようなとろみが出てくるので、火からおろし冷ましておく。



3.琺瑯かプラスチックの器に柔らくした無塩バターを入れ、泡だて器でバターが白っぽい色になるまで混ぜる。グラニュー糖を加え更によく混ぜる。溶いた卵を少しずつ加えながら混ぜ続ける(写真4)。2.のライムカードを流し入れ更に混ぜる。

4.アーモンド・プードルと薄力粉を篩いながら3.に加え(写真5)、スパチュラに持ち替えて更に混ぜる(写真6)。この時だまができやすいので、スパチュラで切るようにしてざっくり混ぜること。


5.表面に艶が出て来たら手を止め、底にオーブン・ペーパーを敷いたラウンド・ケーキ型に4.の半量を(写真7)、内面にバター(分量外)を塗ったパウンド・ケーキ型に残りの半量を流し入れる(写真8)。空気抜きのため型ごとテーブルなどの上に軽く落とす。それぞれのケーキ型を別個に、予熱あり、180度Cのオーブン下段で30分前後加熱する。


6.焼いている時間にケーキの表面に塗るアイシング用の塗液を作る。容器に粉糖とライムの絞り汁の残りを入れて混ぜる(写真9)。


7.焼きあがったケーキをオーブンから取り出す(写真10,11)。この時ケーキは5.の時点より1.5倍くらいに膨らんでいるはず。ケーキクーラーで冷やす間を利用して6.の塗液を刷毛でラウンド・ケーキの表面に塗る。ピスタチオを適宜トッピング。好みでパウンド・ケーキの方にも塗液を塗る。


8.このケーキは焼いてすぐ食べるより、粗熱が取れたら蓋のできる容器に入れて(写真12)常温(夏季は冷蔵庫)で数時間(できれば一晩)置いてから食べるのがお勧め(写真13)。その方がずっと美味しい。

メモ:
ウイークエンド・シトロンはライムをレモンに変えてもできる。むしろその方が一般的。