海老とたこ、貝柱のアヒージョ、残ったオイルでスパゲッティ・ペスカトーレ R#018

アヒージョは南スペインの郷土料理で、主にシーフッドをオリーブ・オイルとにんにくだけで加熱した料理です。バルでワインのお供として熱々の鍋ごと出されることが多いのですが、家庭でも前菜あるいは食前酒のおつまみのようにして出せばきっと喜ばれます。オリーブ・オイルをふんだんに使うのがコツですが、残ったオイルはいろいろな使い道があるので無駄になりません。このレシピの最後に、一番手軽な例としてアヒージョの具も使ったスパゲッティ・ペスカトーレを紹介しています。

こればかりでなく、オイルだけを残して瓶などに保存しておき、バゲットなどにつけて食べる、具を変えて別のアヒージョを作る、唐辛子を加えてパスタを作るときの基本のオイル(アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ)にするなど工夫次第で用途はいくらでも浮かんできます。ゆめゆめ残ったオイルを捨てるなんてことはなさいませんように!


[海老とたこ、貝柱のアヒージョ]
材料:タパスとして4~6人分

海老(ブラック・タイガー、生、殻つき)200g
たこ(茹でたもの)150g
帆立貝柱(刺身用)70g
ブロッコリ100g
アスパラガス7本
にんにく4片
カイエン・ペッパー小匙半
エルブ・ド・プロバンス(そのレシピ参照)大匙2
オリーブ・オイル215ml
適量
こしょう適量

作り方

1.海産物の材料を取り揃える(写真1)。にんにくは薄切りにする。ブロッコリはそれぞれの房を縦半分に、アスパラガスは固い部分を切り落とし長さ3センチぐらいに切る。ブロッコリとアスパラガスは、熱湯で軽く茹でて冷水にとる(写真2)。海老は熱湯で茹でて殻を剥き、背ワタを取り除く(写真3)。たこは食べやすい大きさにぶつ切り、帆立貝柱は厚ければ、水平に包丁を入れて2枚に切り分ける。写真1程度ならそのまま。


2.小さめのフライパンにオリーブ・オイル大匙1を入れて熱し、にんにくを炒めアーリオ・オーリオを作る(そのレシピ参照)。

3.にんにくに焦げ色がついたら(写真4)、海老、たこ、200mlのオリーブ・オイル(写真5)を加えてオイルが沸騰するまで強火で加熱する(写真6)。


4.沸騰したら弱火に落とし、ブロッコリとアスパラガスを加えて(写真7)、蓋をして煮込む。長く加熱しすぎるとタコが固くなるので注意。

5.野菜に火が通ったら、貝柱を入れる。最後に、カイエン・ペッパーとエルブ・ド・プロバンスを加え、全体を混ぜ合わす(写真8)。塩・こしょうして味を調える。

メモ:
エルブ・ド・プロバンスは味のアクセントなので省略可。カイエン・ペッパーは、ピリ辛が好みなら輪切りにして種を除いた鷹の爪(好みの量)に変えても。

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応用編:残ったオイルでスパゲッティ・ペスカトーレ


アヒージョの残り(具の一部を含む)からオイルだけをレードルで掬い、別容器(ガラス瓶など)に移して保存する(200mlぐらいは移せるはず)。
スパゲッティ・ペスカトーレの出来上がり

残ったアヒージョの具と掬いきれなかったオイル(写真A)を使ってスパゲッティ・ペスカトーレ(但しトマト・ソースは加えない)を作る。別の鍋でスパゲッティ160gを茹でる。同時にアヒージョの残りが入ったフライパンも温めておく。スパゲッティが茹であがる前に、レードルで茹で汁を1杯程度すくい、アヒージョのフライパンに加える。フライパンを何度もゆすってオイルと茹で汁を乳化させる。スパゲッティをトングなどを使ってフライパンの方に移す(写真B)。フライパンの中身をよく混ぜ合わせてから食卓に供する。


ガラス瓶に移した方のオイルは、密閉容器なら常温で1カ月はもつので、さまざまな用途に使える。その主なものとしては、

1.シーフードが具のパスタ料理のソースに
2.リゾットのベースに、ピラフやドリアの味付けに
3.カリカリに焼いた野菜にかける
変わったところでは、お餅をこのオイルにつけて煮ても美味しい!

リニューアル情報:このレシピは2020年5月4日に出来上がり写真を変更、本文を加筆、新たにスパゲッティ・ペスカトーレの項と調理中の写真を追加しました。