デイリー・レシピ~ビーフ・ラグー・ソースでパスタ料理 R#006


おいしい料理は一から心を込めて作るもの、というのは確かに真実ですが、忙しい毎日にそうも言っていられないのが現実です。そこで市販の缶詰(あるいはパウチ入りレトルト)を使って、一から手作りで作ったものよりも美味しいラグー・ソースの作り方を披露します。左の写真のようなスパゲッティやフェットチーネのソースには勿論、ラザニアのソースとして、あるいはニョッキのソースにも使えます(それぞれのレシピもご覧ください)。しかも使い残しを冷凍しておけば1週間は味が変わらないのも、忙しい主婦にはうれしいところ。牛挽肉とスパイスをたっぷり加えることで、これが缶詰を使ったもの?と信じられないくらい美味しくなります。缶またはレトルト・パウチの中で長時間を経て熟成された半製品のミートソースやトマト・ソースを、ご自分の手作りの作業と合体させることで、自前の材料だけで作ったミートソースにはない、まったりとした深みのある味が生まれます。それがこのレシピの意外な秘密。ぜひお試しを!以下はこのブログにあるこのソースを使ったレシピのリストです。文字の上をクリックするとそのレシピにジャンプします。
R#063 ほうれん草のラビオリ、田舎風
R#072 リコッタ・チーズ入り、ニョッキ田舎風
R#082 キャセロールで作るラザニア
これらの料理にも使うことで、全量を1週間以内に使い切るようにしましょう。

なおこのに応用編として「ペンネとベーコンのグラタン、ボローニャ風」を追加しました。ここをクリックするとそこへジャンプします。


材料:出来上がり約1リットル(800g前後)上の出来上がり写真の量

マ・マー、ミート・ソース缶またはレトルト* 1缶
デルモンテ基本の完熟トマトソース** 1袋
牛挽肉 250g
マッシュルームのスライス缶(固形量50g前後) 1缶
たまねぎ 半個
セロリ(使い残しの切り屑や細い茎でよい) 1つかみ
にんにく(大きめの房) 1片
ローレルの葉 2枚
三温糖                    小匙2
粗挽き黒こしょう適量
オリーブ・オイル大匙2
*缶(290g)レトルト(260g )  **レトルト(295g ) 同じデルモンテのリコピン・リッチ・トマトソースでも同じように作れる。

[スパイス5種]

_クミンシード 小匙半
_クローブ(パウダー) 小匙半
_チリ・ペッパー(パウダー) 小匙半
_フェンネル(パウダー) 小匙半
_パプリカ(パウダー) 小匙半

スパイスは必ずしも上記の組み合わせに限定しない。好みで一部を変更してもよいが(例:フェンネル→オレガノ)、クミンシードだけは外さないこと。また最低5種は入れたい。

作り方


1.まず写真1のように材料を揃えてからスタートしよう。にんにく、たまねぎ、セロリはざく切り、大きめのソースパンにオリーブ・オイルを入れて熱し、にんにく、セロリ、たまねぎを入れて中火で炒める(写真2)。

2.にんにくにきつね色が付くぐらいになったら、挽肉を加え強火で炒める。挽肉はあまりかき混ぜず、塊が多少残るくらいでよい(写真3)。


3.挽肉全体の色が変わったら、ローレルの葉を加え(写真4)、さらに缶詰またはレトルトのミート・ソース(全量、30gの容量差は無視してかまわない)とリコピン・リッチ・トマト・ソース(全量)、マッシュルームのスライスを加える。スパイス5種(写真5)をすべて加え、まぜ合わせながら煮立たせる。この手順3は素早く行うこと。もたついたりすると焦げてしまうので注意。

4.煮立ったら弱火に落とし、蓋をして20分程度コトコト煮込む。このソースは焦げ付きやすいので注意。ときどき鍋底をこそいでソースが焦げ付くのを防ごう。

5.最後に三温糖とこしょうを加え(写真5)、味見をしてよければ火を止め、なお余熱で温める。できればそのまま翌日まで置いてから、温めなおしてパスタ・ソースとして使う方がよりおいしい。

6.なるべく上記の量をいっぺんに作り、余りはジップロックのような冷凍用のバッグに入れて冷凍する(写真6)。使う前に、バッグごとたっぷりの湯で湯煎して元の状態に戻す。

メモ
この場合、一度に量を多く作るのが美味しいソースを作るコツ。できれば、2,3日中に残った分も使い切ることが望ましい(鍋のまま、朝夕2回火を入れて沸騰寸前まで加熱する)。 それ以上長く持たせるには、ジップロックのようなバッグ(保存袋)に入れて冷凍する。冷凍も最大限1週間くらいまで。それ以上置くと味が急速に落ちてしまう。

このレシピで使う市販の材料は、あくまで味に深みを加えるための補助役。主役は生の材料とスパイスだ。挽肉は絶対牛ひきに限る。合い挽きでは本当の美味しさは出ない。マ・マーのミートソースは缶詰とパウチ入りのレトルトがあるが内容は同じ。中身はレトルトの方が30g少ないが、この差は無視していい。

上のスパゲティを使った調理例写真で、一人前のスパゲッティ(茹でる前の重さで80g)に対し合わせたラグーソースの量は150gである。1リットル(約800g)のラグーソースなら5~6人分のパスタ・ソースになる計算だ。

リニューアル情報:このレシピは2020年4月5日に本文を補足し、調理中の写真を追加しました。2020年11月20日に応用編を追加しました。

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ビーフ・ラグー・ソースを使ったメニューの一例です。ハインツのグラタン・ソース缶を材料に加えています。半加工品ですが家庭では出せない味覚を引き出せるのが理由です。    
缶詰をうまく利用することで、料理に新しい可能性が加わります。これは手抜きでも、材料抜きでもありません。瓶詰の調味料や袋詰めの保存食品を使うのと同じと考えたいと思います。なによりもハインツのグラタンソースとこのブログで紹介している、ビーフ・ラグー・ソースとの相性がすばらしいのです。
なお、このグラタンの場合容器は下の写真の様な金属製のしっかりしたケーキ型がおすすめ。陶磁器製のキャセロールのような容器より熱伝導がいいので、表面が焦げているのに底部は生ぬるいという失敗を防げます。グラタンはなんといっても熱々をお出しするのが肝心ですからね。

材料:(4人分、深さ5センチ縦横20センチぐらいの金属製ケーキ型=下の作り方写真6、が満杯になる量) 

ペンネ・リガーテ200g
ビーフ・ラグー・ソース(上のレシピ)400g
ハインツ・グラタン・ソース缶1缶(290g)
モッツアレラ・チーズ(シュレッド)120g
ベーコン(ブロックまたは厚切り)100g
マッシュルーム(スライス、缶詰)50g
たまねぎ中1個
牛乳150ml
イタリアンパセリ(葉のみ)ひとつかみ
にんにく大1片
オリーブオイル大匙1
粗塩適量
粗びき黒こしょう適量

作り方:
1.たまねぎは半分に切って薄くスライス。にんにくは薄切り(写真1)。ベーコン・ブロックは長さ4センチ幅8ミリぐらいの短冊に切る(写真2)。イタリアン・パセリは茎を除き、粗いみじんぎり。

2.ペンネを茹で始める。ボウルにグラタン・ソース缶の中身全部を移し、牛乳を注いでよく混ぜておく(写真3)。
3.フライパンにオリーブ・オイルを温め、にんにくとたまねいを炒める。たまねぎが透明になり柔らかくなったら、ベーコンとマッシュルームを加え、更に炒める(写真4)。ベーコンに火か通ったら、塩こしょうし、最後にイタリアンパセリを加え、さっと混ぜて火を落とす(写真5)。

4.オーブン用の金属製ケーキ型の内側にバター(分量外)を塗る(写真6)。
5.ペンネが茹であがったら、湯をきりグラタン容器の中に入れる(写真7)。その上に3.のフライパンの中身を全部入れる(写真8)。次いで2.のグラタン・ソースと牛乳をまぜたものを流し入れ、スパチュラなどを使って全体を混ぜ合わす(写真9)。
6.ビーフ・ラグー・ソース(温め直さなくてもよい)をその上に敷き詰める(写真10)。更に全体をシュレッドしたモッツアレラで覆う(写真11)。

7.オーブン上段、予熱あり180度Cで40分から50分(季節により変わる)加熱する。表面に焦げ目がついても容器の中央下部までは熱が通りにくいので、食卓にサーブする前に、充分加熱されているか確かめること。このくらい(写真12)の焦げ具合で、底の部分はちょうどよい熱さ。

メモ:加熱を充分に行うこと。生ぬるいままだと美味しくない。食卓用の皿などに移す前に、グラタンの中央部分の底になっている個所をフォークなどで取り出して熱さを確かめ、不十分ならオーブンに戻し数分から10分ほど再加熱する。