デイリー・レシピ~リコッタチーズ入りニョッキ田舎風 R#072

前にも一度紹介したことがあるニョッキ(R#016)のバリエーションです。今回は生地にリコッタ・チーズを練りこんでいるのが特徴です。そのほかには、溶き卵しか使っていません。リコッタチーズを強力粉に合わせると、できあがりがしこしこした口当たりとなり、とてもおいしいのです。それに腹持ちがよくなって、少量でも満腹感が長持ちします。田舎風という意味は、ふだん激しい肉体労働をする農家や畜産業に働く人たちが日常的に食べている食事を示唆しています。とても簡単に作れますし、材料費もかかりません。自分の家で飼っている牛や鶏がいれば、小麦粉だけがあれば作れるというわけです。イタリアの農家のランチなどにはこういう腹持ちのいい食事が好まれるのも、ちゃんと合理的な理由があるんですね。ここではニョッキのサイズを大きめにつくってあります。その方がこしこしというか、コリコリというか、独特の食感をより楽しめます。アル・デンテのパスタの極致というわけです。上の写真ではこのブログで何度も使っているビーフ・ラグー・ソース(R#006ビーフ・ラグー・ソースでパスタ料理)をかけていますが、農家の食事ではもっとベーシックなトマト・ソースだけで供されることが多いようです。それでも十分おいしいんですよ。

材料:3人分(50個前後)


強力粉 300g
リコッタ・チーズ 230g
溶き卵 2個分

[ビーフ・ラグー・ソース]
あるいはほかのお好みのソースをかけて

作り方

1.大きめのまな板の上に強力粉を山形に盛り、リコッタ・チーズを加えて両手でよく混ぜ合わせる。リコッタ・チーズは上の広告のようなイタリアからの輸入品を使った。最近は輸入食品に強いスーパーなどでよく見かけるので、牛乳とレモンで苦労して自家製のリコッタを作る必要もなくなったのは有り難い。

2.溶き卵を加えて全体を更に混ぜる。次第に生地がまとまってくるので、一層力を入れて板の上でこねる(水やオリーブ・オイルなどは一切加えず、3つの材料だけでこねること)。生地が一つの塊にまとまったら、包丁で4等分し、それぞれを直径2センチくらいの一本の棒のような形に成型して、端から順に長さ3センチぐらいに切り分ける。フォークの裏側を使って、ニョッキの表面を凹ませ、溝の模様をつける(茹でるとき火が通りやすくなるだけでなく、ソースののりもよくなる)。


3.成型したニョッキは打ち粉(分量外)を散らしたバットの上などに並べておく(写真1)。大きめの鍋を使って、塩を入れた水を沸騰させ、その中にニョッキを入れる(強火)。あまり沢山入れるとニョッキ同士がくっついてしまうので、25個くらいが限度(写真2)。たえずかきまぜて熱が平均に行き渡るようにする。10個くらいが水面に浮いて来たら、コップの水を三分の一くらい入れる。これを3回くらい繰り返す。

4.ニョッキのほとんどが水面に浮きあがりそうな勢いになって、鍋から噴きこぼれそうになったら火を止め、ニョッキの味見をしてコリコリ度を確かめる。歯で噛んだ面に粉状の縞があれば、まだ茹でたりない。粉っぽいところがなくなり、切り口に透明感が出てくれば、茹であがっている。このニョッキは噛んだ時のコリコリ感が命なのでくれぐれも茹ですぎないように注意。

5.穴あきレードルでお皿に盛り(写真3)、好みのソースとパルメザン・チーズをかける

メモ
    写真のようなトマト系のソースに飽きたら、ホワイト・ソースなどを使ったクリーム系のソースでもおいしい。どんなソースにも合うところがニョッキの強みだ。じゃがいもを入れなかったのは、このニョッキの売りはコリコリ感にあるから。じゃがいもを入れた前回のニョッキは対照的にほくほく感が特長。あくまで歯ごたえのあるニョッキを食べたかったらこのレシピで。

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