あると便利~サルサ・ベルデ R#015

サルサ・ベルデ
サルサ・ベルデはイタリアやスペインでポピュラーなソース。作って密封冷蔵保存すれば1か月以上持ちます。ボッリート・ミスト(そのレシピ参照)やポトフにぴったりなほか、パン、温野菜、肉や魚のグリルにも合う万能ソースです。これに使うハーブはすべて生を使いたい。手に入れるのが難しい時は、自分の家で育てることを考えて。庭がなくてもベランダで充分様々なハーブを育てることができます。自宅で刈り取ったばかりのハーブの香りの高さ、味の深みは、体験してみないと想像もできない程すばらしいものです。このブログのページ「ベランダでハーブを育てよう」も参考にしてください。このレシピの下に応用編:「酸っぱいキャベツとソーセージのカッスーラ風、2種」(ここをクリック)を追加しました。味のアクセントにサルサ・ベルデを添えて召し上がれ。

材料:写真のような瓶(高さ12センチ)一杯分

スペアミントの葉(生、細い茎も)15g
イタリアン・パセリ(生、細い茎も)15g
ケイパー大匙1半
マスタード大匙1半
コルニション(小さいきゅうりのピクルス)2本
にんにく1片
アンチョビ・フィレ(缶の中のオイルも)4枚
白ワイン・ビネガー大匙1
オリーブ・オイル大匙2

作り方
  1. ざく切りにしたミント、イタリアン・パセリ、刻んだケイパー、コルニション、にんにく、アンチョビ(缶の中のオイルも半量ぐらい)、マスタードをフッド・プロセッサーに入れ、粗めのペースト状にする。
  2. 1.をボウルに移し、オリーブ・オイルを少しずつかけながらかき回す。
  3. 最後にワイン・ビネガーを加え、さらによく混ぜる。

メモ

 作ってすぐよりも、1日ぐらい置いた方が、味が落ち着いて美味しくなる。オリーブ・オイルの量は好みで加減する(長い間瓶に詰めておくと次第に水分が減り、固形分だけに近い状態になることを想定して)。




まず最初に炒め物の方を紹介します。カッスーラはイタリアの北部、ミラノ周辺の郷土料理でキャベツと豚肉の様々な組み合わせで作られる料理に対する呼び名だそうです。キャベツはちりめんキャベツが使われることが多いそうですが、日本でちりめんキャベツを手に入れるのは大変難しいので、ここでは瓶詰で売られているサワークラウトで代用しました。瓶詰はドイツで食べる自家製のサワークラウトほど美味しくありませんが、お酢を使っていないものであれば、料理してしまえば酸味はさほど苦になりません。というよりは、ちりめんキャベツに似た歯あたりと、発酵キャベツの甘さ、そして最後に口に残るほのかな酸味で期待以上の一品になったと思います。

今回使ったサワークラウトは右図のようなキューネの瓶詰でした。
できればサワークラウトから自分で作りたいところですが、家庭で失敗なしに美味しいサワークラウトを作るのはなかなか難しいと聞いています。そういうことならむしろこのような市販の品を上手に使うことを考える方が賢明なのかもしれません。料理方法によっては、酸っぱいものが苦手の人でもこれならと納得できる味にアレンジすることは可能でした。サワークラウトは発酵食品なので、乳酸菌による整腸効果が期待できます。ビタミンUやカルシウム、食物繊維も豊富だとか。それに瓶詰の市販品は使い切るのが大変なくらいの600~800g前後の大容量なので、コスパ的にも家計には嬉しい存在です。この安価で栄養豊富なサワークラウトをもっと利用して頂きたくてこのレシピを公開することにしました。

材料:2~3人分

フランクフルト・タイプのソーセージ 3本(180gぐらい)
サワークラウト* 150g
薄切りベーコン 100g
玉葱 半個
キャラウェイ・シード 適量
オリーブオイル 大匙1~2
*  この料理に使うサワークラウトの量は好みで加減してください。

作り方:

1. 玉葱は薄切り(写真1)ベーコンは必ず薄くスライスしてあるものを4,5センチ長さに切り分ける(写真2)。サワークラウトは瓶詰から取り出しそのまま使う(写真3)。


2.オリーブオイルを熱したフライパンで玉葱を炒める。玉葱がしんなりしたら、ベーコンを加えよく火を通す(写真4)。次にソーセージを入れソーセージの外周の色が変わるくらいまで炒める。焦げ付かないように絶えずフライパンの中身をかき混ぜること。サワークラウトとキャラウェイ・シードを投入したら(写真5)、フライパンに蓋をして数分弱火で蒸らす。焦げ付きそうならここでオリーブオイルを追加する(写真6)。塩こしょうは必要ないはずだが、好みで追加しても(分量外)。


3.出来上りはこんな感じ(写真7)。ベーコンはくたくたに、サワークラウトはトロッとした感じになっているはず。サルサ・ベルデを添えて食卓へ。

メモ:今回は手に入らなくてジョンソンヴィルのソーセージを使ったが、もし生ソーセージが手に入れば、生ソーセージの中身をほぐしたものを他の材料と一緒に炒めるとよりカッスーラ風になる。


こちらは酸っぱいキャベツ(サワークラウト)を使ったスープ です。炒め物のレシピに使ったのと同じキューネのサワークラウトを使っています。サワークラウトから出た酸味がチキン・ブイヨンと調和して口当たりの爽やかなスープになりました。飛び切り美味しくするには、こしょうをたっぷり利かせるのがコツ。寒い冬の日にこれ以上の癒しとなる食事は数少ないでしょう。ミラノがあるロンバルディア州も冬はかなりの寒さになるそうで、こういう食事が好まれるのだとか。ミラノ料理と言われるものに煮込み料理が多いのもうなずけます。なおサワークラウトの酸味が嫌いという方も少なくありませんが、サワークラウトはこのようなスープあるいは煮物に使った場合、作った当日ではなく一晩おいた翌日ないしは翌々日に温め直して食べると酸味は殆どなくなります。サワークラウトそのものだけでなく、それを煮込んだスープからも酸味が感じられなくなるのは不思議です。サワークラウトの活用法として憶えておくと損はない知識です。

材料:2~3人分
フランクフルト・タイプのソーセージ 3本(180g)
サワークラウト* 130g
じゃがいも 小2個
玉葱 中サイズ半個
バター 10g
白ワイン 50ml
チキンブイヨン(顆粒) 6g
700ml
キャラウェイ・シード 小匙半
ローリエ 3枚
適量
粗びき黒こしょう 多めに
*  この料理に使うサワークラウトの量は好みで加減してください。

作り方:
1.じゃがいもは半分に切って半月切り。水に浸けてアクだししてから、熱湯で茹でる。竹串が軽く通るくらいまで(写真1)。サワークラウトは瓶から出して軽くほぐしておく(写真2)。

2.フライパンを熱してバターを溶かし、薄切りの玉葱を入れてしんなりするまで炒める。 キャラウェイ・シードとローリエを入れ、白ワインを注ぎ、強火にしてアルコール分が飛んだら、700mlぐらいの湯に溶いたチキン・ブイヨンを流し入れる(写真3)。


3.2.のフライパンにサワークラウトとソーセージを入れ中火で10分ほど蓋をして煮込む。沸騰させないように注意(写真4)。最後にじゃがいもを足し、更に5分ほど煮たら味見をして塩・こしょうする(写真5)。こしょうはできるだけたっぷり使った方がより美味しい。アツアツのうちサルサ・ベルデを添えて食卓へ。