2014年5月5日月曜日

おもてなしレシピ~ポーク・パストラミの7種のスパイス・ロースト R#026

ポーク・パストラミは米国でポピュラーな食材ですが、もともとは東ヨーロッパに起源をもつ保存食品です。豚肉の赤身を塩水で処理した後、燻製にし、多くの場合まわりに黒こしょうをまぶしてあります。クリスマス近くなると日本でも最近はスーパーなどに出回るようになりました。早速その機会をのがさずに、香辛料をふんだんに使って地中海沿岸らしい料理を作ってみました。スパイスは、ローレル、シナモン、オールスパイス、クローブ、ナツメグ、しょうが、赤唐辛子を合わせ、それににんにく、タイム、はちみつを加えてあります。それらを調合すると、肉のマリネ液として、あるいは焼き上がった肉にかけるソースとしても用途の広い、スパイス・ソースができます。ポーク・パストラミだけでなく、ビーフ・パストラミ、ブロック・ハム、ターキーやチキンのブロックをマリネして漬けこむのにも、ローストまたはグリルした肉料理のソースとしても大変重宝します。このソースの起源はジャマイカのジャーク・チキンソース。そのポーク・パストラミへの
ポーク・パストラミ・ブロックの一例
日本ハム製品
400g 900円前後
応用版です。だから
鳥系の肉との相性も抜群。赤ワイン・ビネガーの爽やかな酸味が、肉臭さを消してくれます。クリスマスでなくても、記念日や家族が大勢揃ったときなどに好評間違いなしのひと品。大きなポークの塊を食卓で切り分けるときっと歓声が起きますよ。ロースト・ビーフよりも材料費がグッと安く、家計に易しいのもこのレシピのうれしいところ。

ポーク・パストラミの入手が難しい時は、ロースハム・ブロックをお使いください(400g以上)。レシピのスパイス・ソースのおかげで味も食べ応えもさほど違わない出来上がりになります。


材料:3~4人分、ソースは出来上がり量で350mlぐらい、そのうちポーク・パストラミにかけるマリネ・ソースとして使う量は250ml

ポーク・パストラミ(400g~600gのブロック) 1個
オレンジ・マーマレード 大匙5
小ぶりのじゃがいも 5個
ペコロス 5個


[7種のスパイス・ソース]
_ローレル(粉末) 大匙半
_シナモン(粉末) 大匙半
_オールスパイス(粉末) 大匙半
_クローブ(粉末) 大匙半
_ナツメグ(粉末) 大匙半
_しょうが(生) 親指大
_タイム(乾燥・粉末) 小匙1
_赤唐辛子(乾燥) 1本
_にんにく 4片
_はちみつ 大匙2

_パター 40g
_たまねぎ 小1個
_パルメザン・チーズ 大匙1
_ラム酒(ダーク) 100ml
_赤ワイン・ビネガー 170ml
_塩 小匙1
_粗挽き黒こしょう 小匙1

作り方




1.まず、7種のスパイス・ソースを作る。にんにく、たまねぎはみじん切り、唐辛子は種をとって小口切りに。しょうがは皮を剥いて薄くスライス。

2.フッド・プロセッサーまたはミキサーにソースの材料全てを入れ、撹拌する(写真A)。粗めのみじんぎりになったものを別容器に移す(写真B)。水気がかなり多いソースになる。


3.マリネ用のボウルの中央にポーク・パストラミを置く。こしょうがまぶされている脂身が下になるように。上の面にスパイス・ソース250mlをたっぷりとかける。上の面にのりきれない分は、パストラミの周囲に流し入れる(写真1)。そのまま厳重にラップして冷蔵庫で48時間寝かせる。寝かせる時間が短いとパストラミにソースがよく浸み込まない。

4.48時間経過したら、3.を取り出し、パストラミを先に取り出してオーブン用の耐熱皿の中央に置く(このときも脂身を下に向けて)。その上にボウルに残ったソースを全部かける(写真2)。オーブンを180度Cに予熱し、耐熱皿を角皿にのせて(写真3)、下段で1時間焼く


5.パストラミをローストしている間に、野菜の下ごしらえをする。じゃがいも(なるべく皮を剥かない)は半分に切り、ペコロスは皮を剥いて丸のまま、塩の入った熱湯で茹でる。茹で上がったら両方に軽く切れ目を入れておく。

6.4.が1時間たったら、角皿を一旦オーブンから取り出し(写真4)、パストラミの周りの空いているところにじゃがいもとペコロスを並べる。パストラミの上面のスパイス・ソースをスプーンなどで脇に寄せ、そこにマーマレードをたっぷり塗る。脇に寄せたソースをスプーンでじゃがいもとペコロスの上にかける(写真5)。

7.6.をオーブンの下段に戻し、予熱なし180度Cで更に20分焼く。


8.焼き上がったら、アルミフォイルで覆い1時間程度置いてさます(写真6)。パストラミは厚さ1.5センチ以上に分厚く切り分けて(写真7)各人の皿へ。ローストした際のマーマレードを戻しかけると美味しい。

メモ
7種のスパイス・ソース残ったスパイス・ソースは、オレンジ・マーマレード、ジャム、糖蜜などを適宜加えて、肉を焼くときのソースにすると大変おいしい。すでに調理済みのロースト・ターキーやロースト・チキンにかけるときは、残った分をソース・パンなどに入れ、オレンジ・マーマレード大匙3を加えて加熱する。沸騰したら火を消し、ソース・サーバーなどに移して使う(左の写真)。

パストラミの脂身のある面(ふつうそこに黒こしょうがまぶしてある)を必ず下にしてオーブンでローストすること。焼いている間に脂身が溶け出し、ソースとなじんでからまた肉と野菜に吸収される。

ワイン・ビネガーの酸味が気になる人は、ビネガーの量を減らして(半分以下に)。

2.の段階で、加える液体の量にきつい制限があるフード・プロセッサーを使うと、攪拌中に液が飛び跳ねうまく行かないことがある。そのような場合はミキサーを使って。

焼き上がったパストラミは冷えても美味しい。冷蔵庫に入れて、何日かに亘って少しずつ食べることもできる。

ポーク・パストラミのブロックの入手が難しい時は、ロースハムのブロックでも代用できる。但し大きさは400g以上欲しい。

リニューアル情報:このレシピは2017年2月1日と2018年7月8日に一部改訂、写真を追加しました。2018年10月18日に文章の一部を変更しました。2021年11月19日に作業中の写真を横配列に変更しました。






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