デイリー・レシピ~超やさしいイタリア式オムレツ、フリッタータ2種 R#048


ソーセージとミニ・アスパラガスの具のイタリア式オムレツ
ごはんのおかずにもなる、応用の利くイタリア式のオムレツです(イタリア語では”フリッタータ”と呼ばれることが多い)。日本ではオムレツといえば、フランス式の炒めた具を卵焼きの衣で包んだものと相場が決まっているみたいですが、ヨーロッパの人たちはもっと自由な発想でオムレツを作っています。
実をいうとあのオムレツ用の卵焼きの衣で具を包む作業が、わたしにとっては苦手というほどではなくても、失敗のおそれがゼロとはいえないプロセスなのです。その点、このイタリア式オムレツを憶えてからは、失敗の心配がないので、最近はこのやり方にすっかりハマっています。なにしろ卵焼きの衣を作る必要もなければ、オムレツをひっくり返したりすることすら全くないのですから。この方法なら卵焼きで具を包む際に卵焼きがやぶれてしまったり、形がいびつになったりして、作り直しという悲劇になるおそれは全くなくなります。ランチどころか朝食のメインとして手軽に、そしてなによりも気軽に作れるのが有り難いところ。ぜひお試しください。具の材料をフライパンで炒めてそこへ卵液を流し込むだけです。具には、挽肉といった定番だけでなく様々な材料が使えます。
ブロッコリーとベーコンを使ったイタリアン・オムレツ

ここでは、ソーセージとアスパラガス、それに牛挽き肉の2種のレシピを紹介していますが、他にもベーコンやパストラミ、生ハムやパンチェッタ、ツナ・フレークやむきエビなど手当たり次第に試してみましたが、どれもこれも満足のゆく出来栄えでした。野菜の具として最近はブロッコリやカリフラワーも使っています、薄く切る手間さえ惜しまなければ、ちゃんとオムレツになることが分かりました。ついでにブロッコリーとベーコンを使ったときの写真(→)も載せておきます。

このレシピのポイントは、オムレツの表面の卵の固まり具合で底側の焼け具合を見極めるちょっとした透視力(?)でしょう。2,3回やってみて慣れれば勘が働くようになります。それに底側が少しぐらい焦げてしまっても、その方がかえって美味しいくらいですので、心配はいりません。我が家では週一で繰り返し食卓に上るほどお気に入りの卵料理です。


新しく載せたソーセージとミニ・アスパラガスの具のオムレツと、これまでここに載っていた牛ひき肉の具のオムレツと両方のレシピを、下の「レシピを見る」をクリックするとご覧になれます。


ソーセージとミニ・アスパラガスのイタリア式オムレツ

材料:3人分

ソーセージ(細くて小さいもの) 8本(約140g)
ミニ・アスパラガス 2束(約120g)
全卵(中サイズ) 4個
たまねぎ 中1個
黒オリーブ(種なし) 3~4粒
パルメザン・チーズ(おろす) 大匙2
白ワイン 大匙1
イタリアン・パセリ(生、みじん) 大匙1
オリーブ・オイル 大匙1
粗びきくろこしょう 適量
適量

作り方:


1.たまねぎはスライスして細切りに。イタリアン・パセリは葉と軟らかい茎をみじん切りに。黒オリーブは薄く小口切り。ソーセージは写真1のように好みの厚さに斜め切りにしておく。あまり太いソーセージはこの料理には向かない。

2.アスパラガスはピーラーでハカマの固いところをそぎ落としてから根元の部分を切り落とし、3センチぐらいの長さに切る。湯を沸かしてアスパラガスをさっと湯通しする(写真2)。口当たりを良くしておかないと、オムレツの他の具に合わない。


3.ボウルに卵を黄身と白身が完全に溶け合うまでよくかき混ぜる。おろしたパルメザン・チーズを必ず卵液の中央部分にそっと落とし(写真3)、菜箸でチーズを中央に寄せるような手加減で混ぜる。そうしないと、チーズがボウルの壁にこびりついてしまうため。写真4のように完全に卵液に溶けてしまえばベスト。


4.大きめのフライパンにオリーブ・オイルを入れて熱し、たまねぎを入れてよく炒める。たまねぎが透明になったら、ソーセージ、アスパラガス、黒オリーブの順に材料を加えてよく炒める。白ワインを注ぎ、イタリアン・パセリを加え、最後に塩こしょうして混ぜ合わす(写真5)。

5.4.のフライパンに3.の卵液を、フライパンに平均に行き渡るように流し入れる(写真6)。このとき絶対にフライパンの中を混ぜたりしないこと。そーっと流し入れるだけでよい。さもないとオムレツが具入りスクランブル・エッグになってしまう。

6.蓋をして中火で蒸し焼きにする。フライパンを傾けても表面の卵液が流れない程度にるまで、具の種類にもよるが5分くらい。なれないうちは底の方が焦げているのではないかと気になるが、意図的に軽く焦がすつもりでじっくり火を通そう。出来上がりを判断するサインは表面の卵の状態だ。フライパンを少し傾けてみて、卵液が動く(流れ出す)ようならまだ早すぎる。フライパンを傾けても表面の卵液が動かなくなり、フライパンの内側の壁に接する部分が少し焦げ始めた時がもう一つのサインだ(写真7)。なれればこのタイミングを見極めるのはそう難しくはない。オムレツ全体をひっくり返す冒険をするより、ずっと確実で間違いない料理法だ。写真8は写真7の状態で、意図的にオムレツの裏側の状態を見せるため、持ちあげたところ。底側は軽く焦げているだけだが、オムレツの中は表面まで全体にちゃんと熱が通っている(裏返す必要はない)。

7.出来上がったオムレツを取り分けるには、フライパンの中でフライ返しの先端の尖った部分を使ってオムレツを必要な数に等分してから、平らな部分をオムレツの底に差し込み、形を崩さないように食卓用の皿にのせればよい。
メモ:
ブロッコリーとベーコンの場合は、作り方に上記と殆ど違いはない。ブロッコリーは太い茎を除き、小さい房にバラバラにして、さらに縦にできるだけ薄く切ればよい。

          ✤   ✤   ✤
牛ひき肉のイタリア式オムレツ
牛ひき肉を使ったイタリアン・オムレツ













材料
:3人分

牛挽肉 250g
全卵(中サイズ) 4個
たまねぎ 中1個
パルメザン・チーズ 大匙3
イタリアン・パセリ(生、みじん) 1把
オリーブ・オイル 大匙1
適量
粗挽き黒こしょう 適量

作り方:上のソーセージとミニアスパラガスのオムレツの写真も参考にしてください。
  1. たまねぎは大きめのみじん切りに。イタリアン・パセリは葉と軟らかい茎をみじん切りに。
  2. 大きめのフライパンにオリーブ・オイルを入れて熱し、たまねぎを入れてよく炒める。たまねぎが透明になったら、ほぐした牛挽肉を入れ、肉の色が変わるまで炒める。あまりかきまぜなくてもよい。火が通ったら塩こしょうする。
  3. 別の器に卵を溶き、おろしたパルメザン・チーズとイタリアン・パセリを加えしっかり混ぜる。
  4. 2.のフライパンに3.を注ぎ入れ、軽く混ぜる。混ぜすぎるとスクランブル・エッグみたいになってしまうので、卵液がフライパンに平均に行き渡れば、それ以上は混ぜないこと。
  5. 蓋をして中火寄りの弱火で蒸し焼きにする。フライパンを傾けても卵液が流れ出さない程度に固まればよい。多分その時点でオムレツの底の一部は軽く焦げているが、それで構わない。
  6. フライ返しの先端の尖った部分を使ってオムレツを3等分したら、平らな部分をオムレツの底に差し込み、形を崩さないように食卓用の皿に移す。
メモ
イタリアン・パセリは多すぎるかなと思うくらい沢山入れる方がおいしい。生がなければ右の広告のようなフリーズ・ドライのものでもいいが、香り、味ともに生よりは劣る。

リニューアル情報:ここにはこれまで牛ひき肉を使ったイリア風オムレツのレシピが掲載されていましたが、2020年3月27日に本文を書き換え「デイリー・レシピ~超やさしいイタリア式オムレツ、フリッタータ2種」に変更しました。写真も追加しています。"超簡単"というよりは、"超やさしい"という方が実態に近いような気がしてタイトルも改題しました。




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