おもてなしレシピ~アフリカン・チキン、揚げポテト添え R#071

アフリカといっても北の地中海に面した地域は、かってギリシャやローマの支配を受けていたこともあり、地中海沿岸食文化の影響を強く受けています。今回紹介するアフリカン・チキンもその一つといえるでしょう。特徴はこの料理に使われるベルベル・ソースにあります。ベルベルという名から察して、おそらく北アフリカのモロッコやアルジェリアなどサハラ砂漠以北に住むベルベル人にその源があるのかもしれません。ベルベル・ソースにはフェヌグリーク(ギリシャの馬ごやしという意味とか)という香草の種が使われるのが本式なのだそうですが、日本では入手が難しいので、代わりに香りが似ているといわれるメープルシロップを使いました。ベルベルソースには、そのほかにもいろいろなスパイス(粉末状になったもの)を混ぜるのが現地風です。でも全部を揃える必要はありません。チリ・パウダーとパプリカ・パウダー、それにカルダモンさえ欠かさなければ、あとのスパイスは省略できます。それでもこのソースのちょっと変わった(アフリカ風?)おいしさは格別。ここでは辛さを抑えてマイルドなソースに仕上げてありますが、好みでカエン・ペッパーか唐辛子フレークを追加してもいいでしょう。たまねぎ、しょうが、にんにくはすりおろしたものを使ってください。ソースをとろっとした触感に仕上げたいので。そして絶対に試してほしいのは、このソースでつけあわせの揚げポテトを味わうこと。揚げたポテトとの相性が信じられないくらい最高なんです。

材料:2人分

鶏もも肉(皮付き、1枚150gぐらいのもの) 2枚
オリーブオイル 大匙1
無塩バター 15g
すりおろしにんにく 小匙2
すりおろし玉ねぎ 小1個分
すりおろし生姜 小匙2
適量
粗びき黒こしょう 適量
コリアンダー(生) 2、3本(葉のみ)


[ベルベル・ソース]
_パプリカ・パウダー 大匙1
_チリ・パウダー 小匙1
_カルダモン・パウダー 小匙1
_カエン・ペッパー 数振り程度、好みで
_メープルシロップ 小匙2
_トマト・ペースト 大匙1
_ココナツミルク 100ml
_白ワイン 大匙3
_粗びき黒こしょう 数振り程度
_ナツメグ・パウダー 小匙半
_クローブ・パウダー 小匙半
_コリアンダー・シード 小匙半
_シナモン・パウダー 小匙半

[揚げポテト]

_小さいじゃがいも(きたあかりかインカのめざめ) 6個
_コーンスターチ 大匙1
_オリーブオイル 大匙3

作り方

1.鶏もも肉はすじを取り除き、皮のある側に何か所か包丁で切れ目を入れておく。焼く寸前に塩コショウを両面に振り、手で叩いてよくしみ込ます。

2.じゃがいもは皮をむき、塩(分量外)を入れた湯で芯まで完全に軟らかくなるまで茹でる。湯を切ってからもう一度火にかけ、粉ふきいもにする。オリーブオイル大匙3を敷いた小型のフライパンにじゃがいもを入れ、コーンスターチを振りかけてから、トングで転がしながら、表面がカリッとなるまで強火で炒める。名前は揚げポテトでも実際は多めのオリーブオイルの中で炒めるだけ。

3.ベルベル・ソースを作る。適当な容器に材料を全部合わせ、しっかりかき混ぜておく。

4.フライパンにオリーブオイルとバターを入れて熱し、鶏肉の皮目を下にして中火で焼く(写真1)。皮がパリッと焼け、うすく焦げ目がつくまで。

5.鶏肉を裏返し3分ほど焼いたら、別皿に鶏肉を取り出す。

6.フライパンに鶏を焼いた油を残したまま、そこへすりおろしたたまねぎ、にんにく、しょうがを入れて弱火で炒める。

 7.3.のベルベル・ソースをそっくりフライパンに注ぎ入れ、ゆっくりとかきまぜながら弱火で煮詰める(写真2)。

8.ソースがとろりとしてきたら5.の鶏肉を戻し、途中で2,3回ひっくり返しながら10分間程度弱火で焼いてソースを鶏肉になじませる(写真3)。このとき、ソースがぐつぐつと沸騰してしまわないように注意。

9.鶏肉を皿に盛り、フライパンのソースを鶏肉にたっぷりかけ、コリアンダーを散らす。2.の揚げポテトをつけあわせる。

メモ

スパイスの組み合わせはかなり自由でいい。自分の好みの組み合わせをみつけてご自分のスペシャリティにしても。このレシピは作業に間をおかず、一気に作る方がおいしい。余ったベルベル・ソースは、ナンにつけて食べたり、ピザソースにもぴったり。上の完成写真のコリアンダーはもっとたくさんあっていい。実は我が家のベランダ栽培のコリアンダーの成長が遅れていて、これだけしかのせられなかった。すりおろしたたまねぎは市販されているものがなければ、自分で作る。面倒でもあえてひと手間かけよう。