おもてなしレシピ~前菜、ピクルス・イン・チーズ・バスケット R#037

前菜の最後はピクルス・イン・チーズ・バスケットです。チーズで作った籠の中にピクルスを入れてあります。もちろん、籠まで食べて頂くつもりです。食事会の前菜の写真では分かりにくいので、この品のみ、別に撮影した写真をアップロードしました。今回の食事会で唯一手こずったのがこのチーズ・バスケットでした。材料のチーズの配合を何回か試行錯誤で変えて、やっとなんとか合格線に達するものができたのです。使うフライパンの材質や、ガスコンロの火力調整機能、その日の気温までが出来上がりを左右します。もしご自分でも試みるなら、材料のチーズを余分に用意することをお忘れなく。うれしかったのは、前菜のお皿をさげるとき、全員の方がこのチーズ・バスケットをかけらすら残さずにそっくり召し上がっていたことです。明日と明後日はサラダとそのドレッシング(ビネグレット・ソース)をアップロードします。


材料:出来上がりバスケット4個分

 野菜のピクルス(にんじん、コルニション、ペコロス、パプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、ベビー・コーン)は、今回は市販のピクルス瓶詰を使いました。ピクルスをご自分で自製する場合は、このブログのレシピ「ビーツといかのリゾット、ピクルスの付け合わせ R#089」の記事を参考にしてください。

[チーズ・バスケット]
パルミジャーノ・チーズ(すりおろす) 30g
パルメザン・チーズ 30g
オリーブ・オイル大匙半


作り方


1.パルミジャーノ・チーズをチーズおろしで粗めにおろす。市販のすりおろしたパルメザン・チーズを同量用意し、両方をよく混ぜ合わす。

2.テフロンかマーブル加工のフライパンに、オリーブ・オイルをひき、弱火で温める。フライパンが温まったら、火を消し、フライパンの中に直径約10センチのセルクルを置き、その中にチーズを入れ、セルクルの縁まで全体を平均にならす(写真1)。再び弱火でフライパンを熱し、チースが半分くらい解けたら、セルクルを外す(写真2)。チーズがまだ完全に溶け切れないうちに、料理用のパテ・ナイフの先でまわりの縁をフライパンの底から僅かに剥すようにして焼け具合を見る。まわりの縁3カ所をパテナイフで持ち上げても崩れないことを確認したら、チーズをフライ返しでそっとフライパンから剥がして取り出す。



3.取り出した板状のチーズを、素早く逆さに置いたガラスのプリン・カップの底の上にのせ、まわりのはみ出た部分を手の指で丁寧にプリン・カップの形に沿わせる(写真3)。この手順は一気にすばやくやること。

4.チースがさめて固まったらプリン・カップからチーズを外す(写真4)。

メモ
チーズの量がセルクルいっぱいに広がらない場合は、チーズの量を増やす。セルクルの中に隙間ができないよう、そして厚みが同じくらいになるように、チーズを平均に敷き詰めること。

一番難しいのは、フライ返しでチースをフライパンから取り出す瞬間。早すぎるとまだチーズが十分溶けていないので、溶けているところと溶けていないところの境目で裂けてしまう。といって、完全に溶けてからでは、チーズが柔らかくなりすぎて取り出すときに形が崩れてしまう。そのタイミングの見極めは、円形に広げたチーズの縁がかすかに焦げ始めた瞬間を掴むこと。耳を澄ましていると、チーズがブツブツという微かな音を立て始め、ごく小さな泡が縁に見え出す。この瞬間を逃さないのが成功のコツ。それより早くても遅くても失敗する。

2種類のチーズを使った理由は、パルミジャーノ・チーズだけだと柔らかすぎて固まらず、パルメザン・チーズだけだと粒子が固すぎて繋がらないから。1対1の割合だと、パルミジャーノ・チーズがつなぎになって、ちょうどうまく行く。もし、どうしてもうまく行かない時は、2種類のチーズの割合を変えてみる。

出来上がったチーズ・バスケットは密封できるタッパーウエアのような容器に入れて冷蔵庫で保存すれば、10日以上作成時の形を保てる。