デイリー・レシピ~トリエステ風グーラシュ R#056

グーラシュと言えばハンガリー料理というのが常識みたいですが、実際にはドイツやオーストリア、そして地理的、歴史的にオーストリアとの縁が深いイタリアのトリエステの料理でもあります。尤も、トリエステでは主な材料に牛のもも肉やすね肉を煮込むのが普通だそう。ここでは日常に使いやすい鶏手羽元を時間をかけてじっくり煮込んでいます。好みで薄くスライスしたパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを散らして召し上がれば一層地中海風になるでしょう。ハンガリー料理につきもののパプリカ・パウダーは、スパイス用に栽培された野菜のパプリカを粉末にしたもので、辛みはなくビタミンCが大変豊富です。この料理には多すぎるかなと思うくらい、ふんだんに使ってください。パプリカ・パウダーを多く使うことでグーラシュらしい個性的な味になります。スパイスとハーブが利いた濃厚な味がグーラシュの身上なので、必ず時間をかけて思い切り煮詰めます。間違っても水っぽい味にしないこと。なお、このレシピの応用編として、芽キャベツを使ったドイツ風のバリエーション「芽キャベツのドイツ風グーラシュ」をこの記事の最後に追加してあります。


材料:3人分

鶏手羽元 10本
たまねぎ 中1個
セロリ 3分の1個
マッシュルーム 大4個
パプリカ(黄) 1個
にんにく 2片
赤ワイン 150ml
マスコット・ハーブ・ブイヨン(顆粒6g/袋) 2袋
トマト・ピューレ 80g
ローリエ 2枚
バター 20g
パプリカ・パウダー 5g
オリーブ・オイル 大匙3
ブラウン・シュガー(または三温糖) 大匙1
強力粉 大匙2
適量
粗挽き黒こしょう 適量

作り方


1.たまねぎは芯をとり薄くスライス、セロリは白い部分を横に2等分し更に薄切りにする。にんにくは皮を剥き薄切り。マシュルームは1個の直径が3~4センチくらいの大きさのものを縦に2等分する。パプリカはヘタと中綿を取り除き縦4半分に割り、さらに横に細切り(写真1)。

2.手羽元の太いところに包丁で切れ目を入れる。全体に塩・こしょうして、よく手でもみ込む。

3.手羽元に強力粉を振ってよくなじませる(写真2)。

4.フライパンにオリーブ油大匙1を熱し、手羽元の表面を軽く焼く(中火)。焼き目がついたら(写真3)、火からおろし、別の器に取っておく。

5.煮込み用の鍋にバターとオリーブ油大匙2を熱し、セロリ、にんにく、たまねぎを入れて炒める(写真4)。

6.全体に油がなじんだら、マシュルームとパプリカを入れる。

7.全体にしんなりしたら、手羽元を加え(写真5)、その上にパプリカ・パウダーを写真6のようにたっぷり振りかけてひと混ぜする。


8.赤ワインを注ぎ入れ強火にしてアルコール分を飛ばす。中火に戻し、トマトピューレ、300mlの湯に溶いた2袋のハーブ・ブイヨン(通常の2倍の濃さ)を注ぎ入れる。ローリエを半分に折って入れる。ブラウン・シュガー(三温糖で代用できる)を加える(写真7)。

9.蓋をしないで中火で20分じっくり煮込む。水分が蒸発し、煮詰まってくる(写真8)。塩・こしょうで味を調える。食卓に出す前にローリエの葉は取り除いておく。熱々のうちに食卓へ。
メモ:
出来上がった直後でも、味はかなりまとまっており、すぐに食卓に出せる状態になっている。マシュルームは大きく切り分ける。小さく切ると煮崩れして味もよくない。マスコット・オーネのハーブ・ブイヨンがないときは、チキン・ブイヨンを規定の2倍の濃さに溶かしたものを300ml程度作り使う。

リニューアル情報:このレシピは2020年4月30日に出来上がり写真を変更、材料からキャベツを削除、そのほか作り方の一部を変更しました。2021年3月24日に応用編を追加。





上のトリエステ風に芽キャベツを加えるだけ。作り方もほとんと同じなので、調理中の写真は上記を参照してください。芽キャベツは味が滲みにくく、また煮込むと固くなりがちなので、材料の最後に加えて火からおろし、一晩置くのがコツ。温め直すときも加熱は最低限に





材料:

鶏手羽元 10本
たまねぎ 中1個
セロリ 3分の1個
マッシュルーム 大4個
芽キャベツ 9個
パプリカ(黄) 1個
にんにく 2片
赤ワイン 150ml
マスコット・ハーブ・ブイヨン(顆粒6g/袋) 2袋
トマト・ピューレ 80g
ローリエ 2枚
バター 20g
パプリカ・パウダー 5g
オリーブ・オイル 大匙3
ブラウン・シュガー(または三温糖) 大匙1
強力粉 大匙2
適量
粗挽き黒こしょう 適量

り方:

1.たまねぎは芯をとり薄くスライス、セロリは白い部分を横に2等分し更に薄切りにする。にんにくは皮を剥き薄切り。マシュルームは1個の直径が3~4センチくらいの大きさのものを縦に2等分する。パプリカはヘタと中綿を取り除き縦4半分に割り、さらに横に細切り(写真1)。芽キャベツはさっと水洗いし、茎と繋がっていた側と反対の丸い部分の頂上あたりに包丁で十文字に浅く切込みを入れる。

2.手羽元の太いところに包丁で切れ目を入れる。全体に塩・こしょうして、よく手でもみ込む。

3.手羽元に強力粉を振ってよくなじませる(写真2)。

4.フライパンにオリーブ油大匙1を熱し、手羽元の表面を軽く焼く(中火)。焼き目がついたら(写真3)、火からおろし、別の器に取っておく。

5.煮込み用の鍋にバターとオリーブ油大匙2を熱し、セロリ、にんにく、たまねぎを入れて炒める(写真4)。

6.全体に油がなじんだら、マシュルームとパプリカを入れる。

7.全体にしんなりしたら、手羽元を加え(写真5)、その上にパプリカ・パウダーを写真6のようにたっぷり振りかけてひと混ぜする。

8.赤ワインを注ぎ入れ強火にしてアルコール分を飛ばす。中火に戻し、トマトピューレ、300mlの湯に溶いた2袋のハーブ・ブイヨン(通常の2倍の濃さ)を注ぎ入れる。ローリエを半分に折って入れる。ブラウン・シュガー(三温糖で代用できる)を加える(写真7)。最後に芽キャベツを加える。

9.蓋をして、中火で30分煮込む。塩こしょうで味を調え、よければ火を止めて出来上がり。芽キャベツに味が滲みこみにくいので、できれば鍋のまま一晩置く。食卓に出す前にローレルの葉を取り除く。はがれた芽キャベツの葉とまちがえやすいので。