デイリー・レシピ~フライパンでラタトゥイユ #098

南仏プロバンス地方の名物料理ラタトゥイユです。オーブンでローストして作る方法もありますが、今回はフライパンで炒め煮風に仕上げる方法を紹介します。この方が時間的に早い(下準備から入れて40分くらい。オーブンなら1時間)し、途中の火加減も細かく調整できます。煮え具合にばらつきが出ることもありません。今回使った具の材料はすべて野菜なので、これ以上健康的な料理は考えられないでしょう。それでいて、たっぷりのオリーブ・オイルと生のハーブが、野菜の持つ一種独特の土臭さを和らげてくれます。なすが苦手の私の夫も、この料理なら食べてくれるほど。さらに、赤ワインを入れることで、野菜がいっそう食べやすくなったような気もします。このレシピでは、夏向きのあっさりとした味に仕上げるため、にんにくを控えめに抑えてありますが、それでもメインの一品として通用するほど満足感のある味になっています。週に1、2回でもこのような料理を食べていれば、野菜不足なんて気にする必要もなくなるでしょう。ラタトゥイユのトゥイユとは「かき混ぜる」の意とか。その名のとおり、蓋が開いているときは、絶えずかき混ぜるのがこの料理をおいしくするコツです。暑いこの時期火のそばに立ち続けるのは、ちょっと辛いかもしれませんが。


材料:4人分
なす(小さめ) 3本(250gぐらい)
ズッキーニ(あれば緑と黄色)   各1本(計250gぐらい)
パプリカ(赤とオレンジ) 各1個(計150gぐらい)
マッシュルーム 6個(100gぐらい)
ミディ・トマト 4個(150gぐらい)
ひよこ豆(ガルバンゾ)缶詰 2缶(正味計200g)
たまねぎ(大) 半個(160gぐらい)
にんにく 3片
赤ワイン大匙2
オリーブ・オイル 大匙4
バジル(生、葉のみ刻む) 大匙2
ローズマリー(生、葉のみ刻む)  大匙1
適量
粗びき黒こしょう 適量

注:野菜の重さは下処理する(へた、芯、軸などを取り除く)前の重さ

作り方


1.なすとズッキーニはヘタを取り除き、縦4半分に割って横に角切り。なるべく大きさを揃える。なすは水にさっと浸けてアクを抜いておくとよい。パプリカもヘタ、芯などを取り除き、なすやズッキーニと同じぐらいの大きさに角切りにする。マッシュルームはよごれを拭き取り、軸を取り除いたら縦に2つ割り。ミディ・トマトもヘタを取り除いて縦に2つ割り。スプーンの手元側を使って種を取り除く。たまねぎは薄くスライス。にんにくは薄く小口切り。ひよこ豆(サラダ用缶詰、そのまま食べられるもの)を缶から出しておく。水分があればよくきっておく。バジルとローズマリー(生)は葉のみをみじん切りにする。


2.なす、ズッキーニ、トマト、パプリカ、マッシュルームをザルなどに合わせておく(写真1)。大きめで蓋ができるフライパンにオリーブ・オイルをたっぷり目に入れ、にんにくと玉ねぎを炒める(写真2)。玉ねぎが透明になったら、ザルなどに合わせておいた野菜全部をフライパンに入れ、中火弱くらいの火で、かき混ぜながら炒める(写真3)。


3.野菜がしんなりしはじめ、トマトから水分が出てくる。そのままスパチュラなどで絶えずかき混ぜ、オリーブ・オイルと野菜からの水分が混ざり合って乳化した液体をを全体に滲みこませる。水分が沸騰したら蓋をして5分ほど弱火でぐつぐつ煮込む(写真4)。水分が増えてくるが構わない。増えた水分は後程煮詰まれば減る。

4.蓋を取ってひよこ豆をフライパンに加える(写真5)。赤ワインを注ぎ、強火にしてアルコール分を飛ばす。中火に落とし、蓋を取り、スパチュラでかき混ぜながら野菜を煮詰める。次第に水分が減ってくるので、焦げ付かせないように注意(写真6)。刻んだハーブを散らし入れ、塩こしょうで調味する。塩こしょうはやや多めに入れた方が、味にめりはりがつく。ズッキーニを食べてみてやわらかくなっていれば、火を消して出来上がり。まだ熱いうちに食卓へ。

メモ
    ラタトゥイユは野菜だけで作るので、合わせる野菜の比率が重要。このレシピの材料欄に合わせる野菜の重量を記載してあるので、この比率を参考にして。ハーブはタイムやイタリアン・パセリでもOK。にんにくは好みであと2片くらい増やしてもいい。