デイリー・レシピ~ミックス・ビーンズとパンチェッタのバルサミコ酢炒め R#064

 

 イタリアに限らず、地中海地方では豆を使った料理がよく食べられています。そのせいか、料理に使われる豆も種類が多く、また料理法もバラエティに富んでいます。最近はいくつかの種類の豆を取り合わせ、すぐにそのままでも食べられるようにした、缶詰やレトルトのミックス・ビーンズが出回っているので、それを使って美味しい豆料理を作ってみました。豆は、ひよこ豆、レッド・キドニー(赤いんげん豆)、マローファット(海外産の粒の大きなグリーンピース)です。ひよこ豆には良質のたんぱく質が多く含まれており、レッド・キドニーはカルシウムや鉄分が多く、マローファットにはグリーン・ピース同様、多量の食物繊維が含まれていると考えられます。つまり、この3種類の豆を食べるだけで、栄養バランスが大変良くなると言う訳です。和食の場合、豆料理と言うと醤油を使った煮物が多くなりますが、このレシピのような味付けにすれば、塩分のとりすぎを避けることができます。このレシピでは、味のアクセントにエルブ・ド・プロバンス(別レシピ参照)を使っていますが、なければ、バジルやイタリアン・パセリなどのみじんぎりでも構いません。バルサミコ酢とはちみつを使うと照りがついて、とても美味しそうに見えます。また実際、食べてみれば手軽なわりに驚くほど美味しいんです。パンチェッタはベーコンで代用できます。カロリー過剰が心配なら肉抜きでも味にもの足りなを感じることはありません。バルサミコ酢のおかげで、主菜になるほどしっかりした味なのです。豆料理では他にあまり例がないので、ぜひお試しください。



材料:(4人分)

ミックス・ビーンズ(茹でてあるもの、缶詰またはレトルト) 220g
パンチェッタ 80g
マッシュルーム(スライス) 50g
パプリカ(赤) 大半個
エルブ・ド・プロバンス 大匙1
バルサミコ酢 大匙1
白ワイン 大匙2
はちみつ 大匙1
オリーブ・オイル 大匙2
レモン汁 1/2個分
粗挽き黒こしょう 適量
適量

作り方:

1.ミックスビーンズは容器から出して水洗いする。マシュルームはキッチン・ペーパーで汚れを取り、薄切りにする。パプリカはヘタと芯を取り除き、1センチ角程度の角切りにする。パンチェッタは短冊切り(写真1)。

2.フライパンにバルサミコ酢、白ワイン、はちみつ、塩を入れて中火で全体がどろっとするまで煮詰める(写真2、蓋をしないこと)。火から下ろし、別の器に取っておく(ソース)。

3.フライパンをさっと洗い、オリーブ油を入れて熱し、パンチェッタ、ミックスビーンズ、マシュルーム、パプリカを入れて炒める(写真3)。

4.火が通ったら、別容器に取っておいた2.を少しずつ加えながら全体をかきまぜる(写真4)。豆類に照りが付くまで弱火でよく炒める。なべ底の汁が焦げつく寸前に火を止める。粗挽き黒こしょうとレモン汁、エルブ・ド・プロバンスを加え(写真5)、余熱のあるうちに素早くかき混ぜる。最後に味見をして、必要なら塩を足す(写真6)。

5.出来てすぐ食べるよりも、容器に移し、ラップをして常温で数時間以上おいてから電子レンジなどであたためなおして食べる方が美味しい。その間に、容器の底にあった汁はすべて豆が吸い込んでくれる。
メモ:
この料理のポイントは、先に作っておいたバルサミコ酢などのソースを、後からビーンズとパンチェッタに少しずつかけながら炒めることにある。別に取り置きするステップを省略しないこと。味にめりはりがなくなってしまう。豆の組み合わせは、好みで変更してもいい(パンダ豆、白いんげん、カネリーニ豆、金時豆、うずら豆など)。

リニューアル情報:このレシピは2020年5月24日に出来上がり写真を変更、調理途中の写真を追加しました。また材料とレシピ・タイトル名にパンチェッタを追加しました。