豚ひれ肉のブロック、フェンネルと白たまねぎのトマト煮込み R#029

豚ひれ肉のブロック、フェンネルと白たまねぎトマト煮込み
最近はどのスーパーでも豚ひれ肉のブロックが売られているようです。ブロックをうまく利用して、安い材料で見栄えのするお料理を作りましょう。ここで使うのは、よく見かけるフェンネルの糸のような葉ではなく、同じ植物の肥大した根茎(下の写真)で、欧米ではよく食卓に上ります(イタリア語でフィノッキオ
フェンネル根茎(フィノッキオ)
フェンネルの根茎(フィノッキオ)
)。珍しく近所のスーパーにこのフィノッキオがあったので、これも最近出回り始めた白たまねぎと合わせて、トマト・ソースを作りました。フィノッキオが手に入らない場合は、白たまねぎだけでも作れます。白たまねぎは,これまで見慣れた茶色のたまねぎよりも辛味が少なく、目への刺激も少ない食べやすいたまねぎです。紫たまねぎや赤玉ねぎも最近は珍しくなくなって来ています。このように、材料のバラエティがどんどん増えてくるのは、料理をするものにとってほんとうにうれしい限りです。


材料:2人分

豚ひれ肉ブロック 300g前後
白たまねぎ 大1個
フェンネル(根茎) 1個
ケイパー(オイル漬け) 大匙2
トマト缶(ダイスカット400g/缶) 半缶
白ワイン 50ml
オリーブ・オイル 大匙2
レモンの皮(おろす) 半個分
にんにく 1片
ハーブ・ブイヨン(マスコット・オーネ)6g 100mlの湯に溶かす
適量
粗挽き黒こしょう 適量
イタリアン・パセリ(生、きざむ) 1つかみ

作り方

  1. 豚ひれ肉のブロックは普通クサビ形をしているので、1本を長さ半分に切る(下の図)。そのままではこの料理には細すぎるので、次のようにして平べったい台形にする。

  2. ひれ肉の切り口を上にしてまな板の上に置き、切り口の上に掌または平らな皿を押し当て、上から力を入れて肉を押し潰す。肉の高さが5センチくらいに縮まるくらいまで押す。上下の切り口に塩こしょうしてよく擦りこむ。
  3. フェンネルは、青い茎を切り捨て、根茎の一番外の固い部分をはぎ取った後、厚さ5ミリ程度の輪切りにする。白たまねぎは半分に切り、さらに薄切りに。にんにくは皮を剥き薄切り。ケイパーはみじん切りに。
  4. 鍋にオリーブ・オイル大匙1を入れて熱し、2.のひれ肉を並べて入れ、肉のまわり全体に焼き色がつくまで焼く。焼き色がついたら、鍋から出してアルミフォイルで包み、密封したまましばらく休ませる。
  5. 4.の鍋にオリーブ・オイル大匙1を足し、中火でにんにく、白たまねぎ、フェンネルを炒める。塩を小匙半程度加える。しんなりしてきたら、みじん切りしたイタリアン・パセリの半量を加える。白ワインを注いで強火にし、アルコールを飛ばす。
  6. トマト缶の中味を汁ごと加えて、弱火で10~15分煮込む。
  7. 4.の肉を鍋に戻し、ハーブ・ブイヨン(またはチキン・ブイヨン)1袋(6g)を100mlの湯に溶いたもの注ぎ入れ、更に10~12分煮込む。蓋をせずにトマト・ソースがどろっとなるまで煮詰めること。途中でケイパーとレモンの皮を加える。
  8. 豚ひれ肉に完全に火が通ったころを確かめ、火から下ろす。
  9. 豚ひれ肉を先に皿に移し、その上から鍋の中のソースを注ぎかけ、残りのイタリアン・パセリを散らして食卓へ出す。
メモ:
ケイパーが酢漬けの場合は酸味が強すぎるの量を減らす。ひれ肉の焼け具合を確かめるには、ステーキ・ナイフの先を刺して肉の色を直接見るか、あるいは指で上面を押して、弾力を確かめる。かなり弾力があれば中まで焼けている。

フェンネルの根は入手がなかなか難しいが、白たまねぎだけでも美味しくできるので試みて欲しい。その場合白たまねぎの量を2個に増やす。白たまねぎがない季節(秋から冬)は赤や紫たまねぎでも。