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盛り付け例 |
材料:4人分
註:「基本のレシピ~ソフリートの作り方 R#049」で作成した量
作り方:
5.次にサフラン入りのフュメ・ド・ポワソンを注ぎ(写真6)、強火にして一旦沸騰させてから、中火に落として10分間ほど煮詰める。このときは、蓋をせず、また決してかき回さないこと。フライパンの大きさに比べ、火の炎が広がる範囲が狭い場合は、熱が平均に行き渡るように、フライパンの位置を絶えず変えながら炒めるようにする。10分経ったら塩・こしょうして軽くかき混ぜ、味を整える。
7.フライパンに2.のムール貝と3.の海老、いか、ソーセージを戻す。蒸気を逃がさないように、全体にフォイルで蓋をして余熱で5分ほど蒸らす。フライパンごと食卓に出し、各人の皿に取り分ける。櫛形切りしたライムを添える(画面の最上部にある「盛り付け例」の写真参照)。
米(国産米) | 1合半(約240g)~2合(約320g) |
アルゼンチン赤海老 | 8尾(有頭、殻つき、冷凍) |
ロールいか(冷凍) | 300g |
殻つきムール貝 | 400g(冷凍、味付き) |
ソーセージ(大きいもの) | 2本(1本100gくらい) |
パプリカ(赤、黄、緑) | 3~4個 |
にんにく | 1片 |
黒オリーブ(種無し) | 5個 |
グリーンピース | 100g(冷凍) |
フュメ・ド・ポワソン | 1袋(6g/袋) |
サフラン | 1つまみ |
白ワイン | 大匙2 |
オリーブ・オイル | 大匙3 |
ライム | 1個 |
塩 | 適量 |
粗びき黒こしょう | 適量 |
ソフリート | 150gぐらい(註) |
作り方:
1.米はさっと水洗いしてたっぷりの水に1時間ほど浸しておく(研がないこと)。時間がきたら、ざるなどに入れて水をきり、3時間程度乾かしておく。パプリカはヘタと中の種を取り、小さめの角切り。にんにくは薄くスライス。赤たまねぎはみじん切り。イタリアン・パセリもみじんぎり。ソーセージは長ささ3~4センチぐらいに切ってから、それぞれを縦に四つ割にする。黒オリーブは薄切り。赤海老とロールいかは前の晩からチルドルームで解凍しておく。海老に背ワタが残っていれば、殻の上から包丁を入れて取り除く。調理する前に、殻をつけたまま片栗粉を振り、30分ほどおいてから、海老を軽く水洗いして片栗粉を落とす(よごれが一緒に落ちる)。ロールいかも解凍し、1センチ幅ぐらいの細切りにしておく。サフランはウイスキー・グラス一杯の水に浸けて色を出す。フュメ・ド・ポワソンは300mlの湯で溶かし、冷たくなってからサフランの入った水と合わせる。グリーンピースは解凍せず、冷凍のまま使う。
2.味付きムール貝はパックごと前の晩からチルドルームで解凍する。パックの中のソースごとムール貝をフライパンに入れ、蓋をして中火で3~4分蒸し焼きにする。その後、蓋を取り弱火に落として2~3分混ぜながら炒める(写真1)。火を止めたら、ムール貝の入ったフライパンにアルミフォイルと重しのふたを被せて、常温でおいておく。(ムール貝が味付きでない生の場合については、この下の「メモ欄」を参照してください。)
3.できるだけ大きくかつ底が広めの別のフライパンに、オリーブ・オイル大匙2を入れて熱し、スライスにんにく1片を中火で炒める。下処理をしておいた赤海老を、殻つきのままフライパンに入れて1分半ほど炒める(写真2)。フライパンをゆすって火が万遍なく海老に通るようにすること。次にロールいかの細切り、ソーセージを加えて、白ワインを注ぎ、海老の頭が胴から離れないように注意しながら軽くかき混ぜ、さらに1分半ほど炒める。海老、いか、ソーセージを別の皿などに移し(写真3)、フォイルをすっぽりを被せて常温においておく。残った汁は使わない。
4.3.のフライパンをさっと水洗いしてから、オリーブ・オイル大匙1を入れ、中火でパプリカをかき混ぜながら6分ほど炒める。次に、用意しておいたソフリートを加える (写真4)。更に乾燥しておいた米を加え、1分ほどかき混ぜながら炒める(写真5)。
6.次に黒オリーブを上から散らし、フライパンに蓋をして、弱火で更に5分ないし10分ほど蒸し焼きにする。フライパンの底に近い米が焦げそうになる寸前に火を止め、冷凍したままのグリーンピースを加えてさっと混ぜる(写真7)。
7.フライパンに2.のムール貝と3.の海老、いか、ソーセージを戻す。蒸気を逃がさないように、全体にフォイルで蓋をして余熱で5分ほど蒸らす。フライパンごと食卓に出し、各人の皿に取り分ける。櫛形切りしたライムを添える(画面の最上部にある「盛り付け例」の写真参照)。
メモ:
フュメ・ド・ポワソン(魚料理用ブイヨン)はマスコット・フーズのオーネ印市販品が便利。
ムール貝が味付けでない生の場合は、ムール貝同士をこすり合わせてきれいに掃除した後、フライパンにアーリオ・オーリオ(そのレシピ参照)を作り、そのフライパンで種を取った鷹の爪1本と一緒に強火で炒める。白ワインを注いですぐに蓋をし、貝が殻を開いたら蓋を外し中火に落とす。そのまま、ムール貝から出た汁がトロっとなるまで煮詰める。火を止め鷹の爪を除き、フォイルで蓋をしてそのまま置いておく。以下は上記の作り方の3.以降に従う。
パエリアは香りが重要。米の一部が軽く焦げ付きそうになるまで煮詰めて、具材の香りを最大に引き出すのがコツ。グリーンピースは予熱だけで完全に溶けて軟らかくなるので解凍する必要はない(前もって解凍するとかえって水っぽくなる)。寒い季節の場合は、パエリアの具が冷え切ってしまわないように、ストーブの傍などの温かい場所に具を置いておく。それでも冷え過ぎた時は、5.の段階で余熱の代わりに、弱火で蒸らすようにする。パエリアの米はどの程度が食べごろか見極めるのは大変難しい。米の種類や、乾燥度(新米か古米か)、火加減によって微妙に変わる。芯が残ってもおいしくないし、といってリゾットのように水分が多すぎてもおいしくない。上の写真7のような状態で4.の段階を終了できればベスト。途中で何回か味見をして、こればかりは自分の舌で確かめるしかない(5分~10分という曖昧な表現になっているのはそのため)。5.の段階で弱火で熱し、わざと米の一部を焦がす人もいる。スペインでは、パエリアのおこげ(ソカラ)を食べられるのはその家の家長の特権なのだとか。なぜならそこが一番おいしいから。
リニューアル情報:このレシピは2022年5月4日に作業写真の配列を変更、一部の記事を加筆しました。