2016年3月11日金曜日

サルシッチャ(生ソーセージ)とそら豆の本格リゾット R#069

最近は本場イタリアの製品に遜色ない本格的なサルシッチャ(生ソーセージ)が日本でも手に入るようになってきました。といってもネット通販が中心ですが、ともかく本物が料理に使えるようになったことはうれしい進歩です。生ソーセージとは加熱処理をしていないソーセージを指します。サルシッチャも生ソーセージの一種でイタリア料理でよく使われ、製造時にハーブやスパイスで味付けしてあるのが普通です。生ソーセージは文字通り生なのでネット通販では冷凍された状態でクール便で配達されます。冷蔵物がイタリアのように店頭で手に入れば理想的ですが、日本でそうなるにはまだまだ時間がかかるでしょう。従って、生ソーセージはハムやサラミと違い、必ず加熱して召し上がってください。その料理法の一例として、ここではリゾットでの食べ方を紹介しています。生ソーセージが格別美味しい理由は、加熱(あるいは燻製処理)された普通のソーセージと異なり、生肉の本来の美味しさがそのまま残っていることにあります。生肉を焼いたときと同じようなジューシーな肉汁を味わえるのがなんといっても生ソーセージの醍醐味といえるでしょう。またサルシッチャには、保存処理のためにハーブやスパイスが使われており、それが加熱されることで肉の美味しさが一層引き立つともいえます。ぜひサルシッチャのおいしさを体験してみてください。なおこのレシピで使ったサルシッチャの同等品はアマゾン通販で「ミートガイ」「男の台所」「モンテベッロ」ブランドなどが入手できます。

なお、リゾットに使うお米は、手に入れやすいタイの香り米(ジャスミン米)を使いました。イタリア産の高価なカルナローリ米やアルボリオ米を使わなくても、このレシピで充分本格的なリゾットを召し上がれます。

本物のサルシッチャの充足感に120%マッチさせるため、追加の具としてそら豆、アスパラガス、マッシュルーム、そしてドライトマトのオイル漬という最高の取り合わせを実現しました。ぜひこの具の取り合わせもお試しください。イタリアのレストランでしか味わえなかった至福のリゾットの味わいを、いまこそご家庭の食卓でどうぞ!

なお、このR#069のレシピはリニューアルを機に、以前の「デイリー・レシピ~サルシッチャ(生ソーセージ)のリゾット風」から現在のものに差し替えました。

さらにこのレシピの中で使われているドライ・トマトのオリーブ・オイル漬けの作り方のレシピを補完編としてこの↓に追加しました。そちらもご覧ください。


材料:(3~4人分)
サルシッチャ(冷凍) 3本(150g前後)
ジャスミン米(タイ香り米) 300g
そら豆(皮を剥く前の重さで) 100g
ドライトマトのオリーブオイル漬 大匙2
マッシュルーム(生、スライス) 大匙3
アスパラガス(細いもの) 5本ぐらい(やわらかい部分のみ)
玉葱 中1個
にんにく 2片
オーネ・バーブブイヨン(顆粒) 2袋(12g)
パルメザン・チーズ       大匙3
イタリアンパセリ 適量
オリーブオイル 大匙3
白ワイン 大匙3
レモンゼスト 適量
適量
粗びき黒胡椒 適量


作り方:
1、サルシッチャは冷蔵庫で半日かけて解凍しておく。玉葱はみじん切り。にんにくは薄切り。ドライトマトはごく細いせん切り。マッシュルームは湯通ししてからスライス。アスパラガスも湯通しして長さ2センチ位に切り分ける。

2.そら豆は鞘付きなら鞘から外し(写真1)、実を塩ゆでしてから、皮を剥いて中身だけを使う。ジャスミン米はサッと水洗いするだけで研がずに使う。ザルに入れて水気をきっておく。サルシッチャ(写真2)は皮(ケーシング)を剥き(写真3)、手で中身をほぐしておく(写真4)。

3.フライパンにオリーブオイル大匙1を熱し、サルシッチャを入れ炒める(写真5)。赤い部分が完全になくなるまでしっかり炒める。サルシッチャだけを別の容器に移す(写真6)。鍋の底に残った油(炒め汁)はそのまま


4.別の大きなフライパンにオリーブオイル大匙2を熱し、にんにくを炒める。玉葱を足し更に炒める(写真7)。いったん火を止め、3.で残しておいたサルシッチャの炒め汁をこのフライパンにそっくり移す(写真8)。

5.火を戻し(中火)ジャスミン米を入れて炒める(写真9)。スパチュラでさっと混ぜる。米粒の周りにオリーブオイルの膜をからませるため。混ぜすぎないこと。白ワインを入れ強火にしてアルコール分をとばす。

6.オーネ・ハーブブイヨン2袋を600mlの湯に溶いたものを用意して置き、フライパンに注ぎ入れる。入れる量は、最初はすりきれ米がかぶるくらいまで。写真10の程度が適量。決して入れすぎないこと。そのまま蓋をしないで中火で加熱する。あまりかき混ぜない。ブイヨンがなくなってきたら、残りを少量ずつ足す。このときも入れすぎないように(写真11、鍋の縁に水分が見えていない)。この手順を、米がちょうどよい軟らかさになるまで何回か繰り返す(ブイヨンがなくなったら湯だけ)。米を焦がさない様にスパチュラで時々混ぜる必要があるので、出来上がるまでフライパンの傍につきっきりで調理することになる。米の煮え具合は、何度かスプーンですくって食べてみて、自分の口で確認する。

7.米がちょうど良い軟らかさ(アルデンテ、↓のメモを参照)になったら、3.でとって置いたサルシッチャを戻す。次いでマッシュルーム、アスパラガス、ドライトマト、そら豆の順に加え、穴の開いた木べらでよく混ぜ合わす(写真12)。

8.味見をして塩こしょうし、最後にパルメザンチーズ、イタリアンパセリとレモンゼストを加え(写真13)、ひと混ぜしたら出来上がり。熱いうちに食卓へ。

メモ:
リゾットに使う米はイタリア産のリゾット用があれば理想的だが、日本では入手が難しい場合もあるので、ここではタイ香り米(ジャスミン米)で代用している。ジャスミン米は比較的手に入れやすいし(KALDIコーヒーファームのチェーン店などで手に入ります)、長粒種の米でリゾット向き、価格も安いのでおすすめ。短粒種である国産米でも代用は可能だが、アルデンテに仕上げるのは難しい。


リゾットの場合、アルデンテとは米粒の口当たりがまだ感じられる状態を言う。全体に軟らかくなっているが、ご飯や”おじや”のようにふやけていない、といって芯は全く残ってはいないという出来上がりになれば上々だ。少なくとも、おじやのようにしてしまうくらいなら、まだ芯が多少残っているくらいの方がましという気持ちでこのレシピに沿って行けば、リゾットとしての一番美味しい出来あがりポイントをみつけられるはず。

サルシッチャは手で皮を剥き、中身を手でほぐして使う。ほぐせない程固い場合は、包丁で細かく切り分けるしかないが、本物のサルシッチャなら(解凍できていれば)容易にほぐせるはず。解凍が間に合わないときは、湯煎してもよいが味は落ちる。

ドライトマトはオリーブ・オイル漬のものを使いたい。この↓に作り方のレシピを追加してあるのでぜひご自身で自作を。スパイスの選び方で好みの味にアレンジできるのが自作の強みだ。

ハーブブイヨンがないときは、普通のチキンブイヨンでもよい。その場合、このブログで紹介しているエルブ・ド・プロバンス(そのレシピ参照)と合わせて使えば、殆ど同じ味に近づけられる。

リニューアル情報:このレシピは2021年6月11日に以前の「サルシッチャ(生ソーセージ)のリゾット風」から内容をすべて差し替えました。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

輸入ミニアスパラ1パック、25本前後、100g前後
価格:572円(税込、送料別) (2022/10/6時点)






材料:下の写真9のような高さ8センチの小ぶりのガラス瓶1個分

ミニトマト 18個ぐらい
にんにく 2片
ローリエの葉 2枚
鷹の爪 1本
オリーブオイル(上質) 適量
スパイス 適量

スパイスは好みの組み合わせで。その1例:コリアンダーシード、カルダモン、タイム、タラゴンなど(すべて乾燥、粉)1~2振りずつ

作り方:

1.ミニトマトを水洗いし、ヘタをとり縦半分に切る(写真1)。種と水分の多い部分を取り除き、乾燥用の容器にトマトを並べ好天の日に日干しする(写真2)。写真3は鳥や虫よけのために洗濯ネットで覆っているところ。鳥や虫が近寄らない環境ならその必要はない。


2.トマトがドライトマトになるまで、天気の良い日が3日ぐらい必要。少しずつトマトの表面が皺状に縮んでくる(写真4)。1日目の終わりごろにトマトの上下をひっくり返して反対側にも日光が当たるようにする(写真5)。これを適宜繰り返し、3日目位になると、トマトの内側(皮がついていない部分)が写真6のように黒くなってくるがこのままで構わない。黒くなるのはよく乾燥した証拠。


3.密閉できるガラス容器を用意し、熱湯で煮沸消毒する(写真7)。乾燥したトマト、にんにく(塊のまま)、ローリエ(小さくちぎる)、鷹の爪(半分に割って種をのぞいたもの)を容器に入れ、好みのスパイスを加える。最後に上質のオリーブオイルを容器の首の部分まで注ぎ入れる(写真8)。ふたでしっかり密閉し常温に1カ月程度置く(写真9)。これで出来上がりなので、以後は冷蔵庫に保管しなるべく早めに使い切る。