アスパラガスとマッシュルームのレヴェルト R#090

レヴェルトはスペインの卵料理の名前です。スペインではスクランブル・エッグに他の材料を加えて作る料理をすべてレヴェルトと呼ぶのだとか。加える材料に決まりはありません。海老や貝類だったり、タラのような白身魚、ハモンセラーノのような生ハム、ほうれん草、スモーク・サーモン、そして最高の組み合わせはあのトリュフ! 卵と合いさえすればいいのですから、組み合わせは無限。ぜひ材料を変えてユニークなレヴェルトも試してみてください。スペインの卵料理のもう一つの定番、トルテーリャ(具入りオムレツ)よりも簡単(裏返す必要がない。形が崩れる心配がない)なので、スペインの家庭ではこちらの方が作られる機会が多いという料理記事を見たこともあります。レヴェルトに使うアスパラガスは、できれば細くて軟らかいものを選びたいですね。硬いとスクランブルした卵と違和感が出てしまいます。春先に出回るやわらかなアスパラガスならさっと湯引きするだけで十分ですが、それ以外の季節のものを使う場合は、ピーラーで皮を剥く、熱湯で2分以上茹でるという下拵えの手間を惜しまないようにしましょう。


材料:3人分(夕食のメインとして)


アスパラガス(細いもの) 6~7本
ブラウン・マッシュルーム 200g(軸を取り除く前の重さで)
古い食パン(1斤6枚切り) 1枚
チョリソー・ソーセージ 120g(4本ぐらい)
5個
オリーブ・オイル 大匙2
白ワイン 大匙1
にんにく 2片
レモン・ゼスト 少々
イタリアン・パセリ 大匙2
コリアンダー 2本
適量
粗びき黒こしょう 適量

作り方


 1.マッシュルームは汚れをふき取り、軸の部分を取り除き、傘の部分を薄切りに(写真1)。チョリソーは薄く小口切り(写真2)。古くなった食パンは幅1センチ長さ2センチほどに角切りにする(写真3)。にんにくは薄切り。イタリアン・パセリはみじん切り。



2.アスパラガスは茎の長さで下から3分の一くらいを切り捨てる。さらに茎が硬ければピーラーで皮を剥く。塩の入った熱湯でさっと(春先のアスパラ)、あるいは2分以上(そのほかの季節)茹でて(写真4)、冷水にとり色止めしておく。

3.フライパンにオリーブ・オイル大匙1を熱し、にんにくを炒める。薄く色がついたら、古いパンを入れて菜箸で混ぜながら炒める。パンがオリーブ・オイルをすっかり吸い込んだところで火を消す(写真5)。パンにも薄く色がつけばいい(クルトンのように固くしない。パンのやわらかさを残す)。フライパンからパンだけを取り出してキッチンペーパーなどの上で冷ます。にんにくはフライパンに残したまま。



4.別容器に卵を割って、塩こしょうし、手早くかき混ぜる。力を入れてしっかり攪拌すること。

5.3.のフライパンにオリーブ・オイル大匙1を足し、マッシュルーム、チョリソー、アスパラガス、別にしておいたパン、レモン・ゼスト(レモンの皮をすりおろしたもの)を加え、中火でかき混ぜながら炒める(写真6)。白ワインを注ぎ、火を強火にしてアルコールを飛ばす。塩こしょうで調味し、辛みが足らなければカイエン・ペッパー(分量外)で辛さを足す。

6.4.の溶いた卵を注ぎ入れて(写真7)、弱火に落とし必ず木へらを使って全体を素早く混ぜる。卵の一部がまだ生のうちに火を消し、余熱で卵に火を通す(下の写真8↓)。卵が好みの状態になったら、フライパンの中身全体を別の陶器皿に移す。きざんだイタリアン・パセリを散らし、コリアンダーの枝を飾る。


メモ
スペイン料理では、このレシピのように古いパンをよく使う。そのせいで、見かけよりも食べごたえがある。朝食にするなら、これと熱いコーヒーだけで完璧なその日のスターターになる。辛いのが苦手の場合は、ソーセージの半分を普通のソーセージにしても(写真2)。但し主な味付けはチョリソーからでる辛みなので、全部を普通のソーセージにしてしまうと、味がぼやけてしまうだけでなく、スペイン料理らしさもなくなる気がする。





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