デイリー・レシピ~オレキエッテとパストラミのパスタ、生クリーム・ソース R#073

オレキエッテはあまりなじみのないパスタかもしれません。オレキエッテとは耳たぶの意だそうですが、私はオレキエッテの半球形の形からバチカンの偉い聖職者がかぶっている帽子(ズケット)を連想してしまいます。イタリア産のオレキエッテは硬質小麦だけで作られているので、ゆで時間は、その小さく可愛い形とはうらはらに、10分から11分と長いのが普通です。そんなに長い時間茹でても歯ごたえはまさにアル・デンテ。コリっとした噛みごたえは、前回のレシピ、リコッタチーズ入りニョッキ、田舎風に似ています。今回はビーフ・パストラミと合わせて、生クリームたっぷりのソースで仕上げました。パストラミは最近スーパーなどでスライスしたものが売られているのをよく見かけるようになりました。米国ではごく一般的な食材ですが、日本ではパストラミという言葉になじみがないせいでしょうか、「ペッパー・ビーフ」などという名前で売られているのを見かけたこともあります。上の写真はスライス(切り落とし)として売られていたビーフ・パストラミを使っていますが、もし運よくパストラミのブロックが手に入ったら、薄い短冊切りにして使ってください。その方が、歯ごたえがオレキエッテと合うので、もっと美味しくなります。日本ではハムやソーセージといえば豚肉を原料としたものという先入観がありますが、西欧では豚肉以外にビーフやラム、ターキー、鹿肉などから作られたものも珍しくないようです。大雑把に言えば、パストラミは牛肉から作ったハムと考えることもできます。もっとこの国のキッチンで愛用して欲しい食材の一つと言えるでしょう。このところ夏らしくない不順な天候が続いていますが、生クリームをメインとしたパスタ・ソースは、意外と口当たりがあっさりとしていて、暑い日でも食欲を損なうことはありません。むしろ夏バテ予防にもなる、この季節にお勧めのレシピです。

材料:(2人分)

オレキエッテ(乾燥パスタ) 160g
ビーフ・パストラミ 100g
生クリーム 100g
たまねぎ(大) 半個
にんにく(大きめ) 2片
黒オリーブ 5個
オリーブ・オイル 大匙3
白ワイン 大匙1半
適量
粗びき黒こしょう 適量
イタリアン・パセリ(生) 一掴み

作り方

1.ビーフ・パストラミがブロックの場合は、薄くスライスし、長さ3~4センチ程度の短冊に切る。たまねぎとにんにくは薄切り。黒オリーブは種を除き薄切りに。イタリアン・パセリは食べる寸前にみじん切りに。

2.大きめの鍋を使い、オレキエッテを茹でるための、塩(分量外)を入れた湯を沸かす。沸騰したら、オレキエッテを入れて茹で始める。

3.フライパンにオリーブ・オイル大匙2を入れて熱し、にんにくを入れて炒める(アーリオ・オーリオ、そのレシピ参照)。にんにくに色がついて来たら、たまねぎを加え更によく炒める(たまねぎの色が黄色くなるまで)。


4.3.にパストラミと黒オリーブを加えて強火で炒める。焦げ付きそうになる前に、オリーブ・オイル大匙1を足す。

5.白ワインを注ぎ、強火でアルコール分を飛ばす。火を弱め(中火)、生クリームを注ぎ入れ、フライパンをゆすりながらレードルなどで全体を混ぜ合わす(写真1)。塩・こしょうして味を調える。パストラミにこしょうがたくさんまぶしてあるときは、こしょうを省略するか少なめに。ソースの水分が少ないので、焦げ付きそうになったら、いったん火を消すか最弱火にする。

6.2.のオレキエッテが茹であがったら、穴あきレードルでオレキエッテを掬い、5.の生クリーム・ソースの中に移す。レードルでよくかき混ぜる(写真2)。火加減は最弱火。

7.6.をソースごと食卓用の皿に取り分けて、きざんだイタリアンパセリを散らす。

メモ
この生クリーム・ソースはペンネやタリアテッレに使ってもとても美味しい。好みでレモンかライムの絞り汁や、ケイパーを加えても。このソースをベースにして、好みの材料を加えれば、クリーム系パスタのいろいろなバリエーションが可能。