おもてなしレシピ~仔牛肉のインボルティーニ、プーリア風 R#085

イタリア料理では肉、魚、野菜などで何かを巻いた料理をインボルティーニと呼んで、しばしばパーティなどのメニューに登場します。今回は仔牛肉でリコッタ・チーズを巻いてみました。プーリア州の地方料理ではペコリーノ・チーズ(羊の乳から作る)を巻くことが多いそうですが、ペコリーノ・チーズは日本ではあまりみかけないのと塩分が多いで、代わりにリコッタを使っています。巻くのに使う肉は冷凍の仔牛肉が残っていたのでそれにしましたが、普通の牛肉でも美味しくできます。その場合は、脂身の少ない赤身のブロックを選ん塊を適当な大きさに切り分け、肉たたきで延ばします。この料理には味の重要なアクセントとして、少なくとも3種のハーブ(イタリアン・パセリ、ローズマリー、バジル、セージなど)を使いたいものです。付け合わせは、プーリア州の地方料理に倣って茹でたオレキエッテを添えています。好みでフェットチーネに変えても。インボルティーニの外側を巻く材料には肉ばかりでなく、カジキマグロの切身やナスの薄切りもよく使われます。どんな材料で巻くにしても、焼き過ぎて外側がパサパサになったり、中身のチーズが漏れ出したりしないようにするのがポイントです。

材料:(出来上がりインボルティーニ4個分)
仔牛肉ブロック又は成牛の赤身ブロック 200g前後
リコッタ・チーズ40g
にんにく 2片
おろしにんにく 大匙1
イタリアン・パセリ(葉のみ、みじん切り) 大匙1
ローズマリー(葉のみ、みじん切り) 大匙1
バジル(葉のみ、みじんぎり) 大匙1
アンチョビ・フィレ 2枚
市販のトマトソース(レトルト) 200g
オリーブ・オイル 大匙4
適量
粗びき黒こしょう 適量
オレキエッテ(付け合わせ用) 80g

作り方

1.ハーブはすべて葉だけを細かくみじん切りにする。仔牛肉または成牛の赤身肉は1個が100g前後になるように2等分に切り分け、それぞれにラップをかけて肉たたきで薄く延ばす(写真1)。厚さ5ミリ程度薄い肉片を作る。そのままでは大きすぎるので、更にそれを包丁で中央から縦に2片の肉片に切り分ける(写真2)。これを繰り返し、全部で4枚のやや細長い肉片を作る。にんにくはみじん切り。成牛肉のスライス(大きめ、なるべく厚手)を使う場合は、上記の肉たたきで延ばすステップは不要。適当な大きさに切り分ける。

2.フライパンにオリーブ・オイル大匙2を入れ、中火で熱する。アンチョビを入れて溶かす。薄切りのにんにくを加え、にんにくの色が黄色く変わるまで炒める(焦がさないように注意)。トマトソース 200gを流し込む。更に塩こしょうしてから弱火に落として、ときどきかき回しながら数分煮込む(写真3)。火を消してそのまま置いておく。

3.刻んでおいたハーブすべてを別の容器に合わせ入れ、おろしにんにくを加え、かき回してよく混ぜておく。


4.まな板に1.の肉片を広げ、軽く塩こしょうする。次に肉片の中央に小匙山盛り1ほどのリコッタ・チーズの塊を置く。その上から3.のハーブとにんにくミックスの4分の1量を散らす(写真4)。肉片の手前をつかんでリコッタ・チーズを包み込むように巻いてゆく。焼いている途中で形が崩れないように爪楊枝を刺す。同じ作業を4枚の肉片すべてに行う(写真5)。



6.別のフライパンに残りのオリーブ・オイル大匙2を入れ、4.のインボルティーニを並べる(写真6、フライパンが小さいときは何回かに分けて焼く)。肉全体の色が茶色く変わるまで30秒ぐらい焼く。この後、2.のトマト・ソースでも煮込むのであまり焼き過ぎないように注意。

7.2.のフライパンの中に5.のインボルティーニを移し入れトマト・ソースで3分ほど煮込む(中火)。それ以上焼くと肉が固くなるので注意。火を止め、スプーンを使ってインボルティーニにトマトソースをからめる(写真7)。食卓に供する前に爪楊枝を抜く。

8.別途茹でたオレキエッテを平らに皿に盛り、その上に6.のインボルティーニを2個ずつ載せ、鍋底に残ったトマトソースをまわしかける。

メモ
4.で肉片に載せるハーブとにんにくミックスの量は、好みで適当に加減する。仔牛肉や牛肉で作るインボルティーニは、タコ糸で縛らなくても、爪楊枝で止めれば意外と崩れない。チーズはリコッタでなくても、お好みのチーズでどうぞ。牛肉を使えば、デイリー・レシピとしてふだんの食事に活用も。