ハワイの日系人の間に伝承されてきたバター餅です。餅という名前が付いていますが、主材料は餅粉(もち米を挽いた粉)、バター、ココナツミルクで作る一風変わった焼き菓子です。バター餅はハワイに移民した日系人が生み出した日本と西洋の食事文化のすてきなマリアージュ。でも、最近はダイエット志向のせいで、ハワイの日系4世や5世の間ではあまり作られることがなくなってきていると言われています。私が習った日系のおばあちゃんもそれを非常に残念がっていました。ぜひ日本でこの料理を伝えて欲しいと言われたこともあって、取り上げてみました。バターのおいしさが日本の伝統食事であるお餅とこんなにうまく調和するなんて、実際に食べてみるまでは信じられなかったのを憶えています。まさにケーキと和菓子の両方のよいところを合わせたような、風味豊かなデザートです。ぜひお試しください。このレシピに動画を追加しました(2023年10月23日)。この下のレシピ最下部にあります。
なお、餅粉は製菓材料チェーンの富沢商店で年間を通じ手に入ります。ココナツミルクはKALDIコーヒーファームのチェーン店で(どちらもネット上に通販サイトあり)。ハーフ・アンド・ハーフは生クリームと牛乳の丁度真ん中に当たる乳製品で、バター餅用の場合はこの下に記載の作り方に依ってお作りください。(作り方は非常に簡単です)。
[バター餅]20x20x5センチの金属製ケーキ用型一個分
もち米の粉(餅粉) | 200g |
グラニュー糖 | 200g |
バター(無塩) | 50g |
濃いめのハーフ・アンド・ハーフ(下記参照) | 100ml |
ココナツミルク | 150ml |
溶き卵 | 2個分 |
ベーキングパウダー | 小匙1 |
バニラオイル | 小匙半 |
作り方:
1.あらかじめサイコロ状に切ったバターを耐熱皿に入れ、電子レンジで55~60度Cに温め完全に溶かしておく。濃いめのハーフ・アンドハーフを用意する。ガラスなどの器に生クリーム(乳脂肪分45%程度のもの)40mlと成分無調整牛乳(乳脂肪分3.5%前後)60mlを合わせかき混ぜるだけ。乳脂肪分35%程度の生クリームの場合は50mlを成分無調整牛乳50mlと合わせる。どちらでも乳脂肪分約20%程度の濃いめのハーフ・アンド・ハーフが100mlできる。(市販のハーフ・アンド・ハーフ相当品=「料理がクリーミー」「クリーミー・プラス」などは乳脂肪分が低すぎてバター餅には使えないので注意。)
2.大きめのボウルにもち米の粉、グラニュー糖、ベーキング・パウダーを入れてよく混ぜる(泡立てないこと)(写真1)。
3.別のボウル(写真2)に溶かしバター、ハーフ・アンド・ハーフ、ココナツミルク、バニラ・オイル、溶き卵を入れこちらも丁寧に混ぜる(泡立てないこと)。ココナツミルクの固まった部分が残って多少ダマになっていても構わないが、出来るだけなめらかになるように、スパチュラなどで潰しながら混ぜる(このレシピ最後にある動画1)。
7.しばらくして熱が消えると表面はきれいになる。冷めたらまな板の上などで食べやすい大きさに切る(写真7)(動画4)。バター餅は作った当日よりも2,3日経過してからの方が美味しいので、密閉できるプラ・ケースなどに入れて常温保存する(写真8)。そのまま1週間保存しても味は殆ど変わらない。
メモ:
バター餅はオーブンの中にあるとき途中で大きく膨らむので、ケーキ型の高さは5センチ以上が望ましい。一旦膨らんだ後、冷ましている間に熱する前の量近くまで嵩が減る。
動画2
ハーフ・アンド・ハーフの乳脂肪分が15%以下だったり、量を入れすぎたりするとバーター餅の中央が固まらないことがあるので、必ず上記濃いめの作り方1.の比率と量で作ること。
バター餅は加熱時間が長すぎたり、熱源に近すぎたりすると、表面が焦げて分離し見栄えが悪くなるのでオーブンの火力には十分注意すること。ケーキ型の中にバターを塗るときは、必ず十分にかつ隙間なく塗ること。バターの塗り方が雑だとケーキ型の底にこびりついてうまく取り出せなくなる。ココナツミルクは紙パック入りのチャオコー・ブランド(→)がだまができにくく使いやすい。
ココナツミルク チャオコー250ml |
バター餅は加熱時間が長すぎたり、熱源に近すぎたりすると、表面が焦げて分離し見栄えが悪くなるのでオーブンの火力には十分注意すること。ケーキ型の中にバターを塗るときは、必ず十分にかつ隙間なく塗ること。バターの塗り方が雑だとケーキ型の底にこびりついてうまく取り出せなくなる。ココナツミルクは紙パック入りのチャオコー・ブランド(→)がだまができにくく使いやすい。
動画を追加しました。YouTubeのロゴの右側にある四角をクリックすると動画画面が拡大します。
動画1
動画2
動画3
動画4
リニューアル情報:このレシピは2021年1月2日に出来上がり写真を差し替え、作業写真の配置を変更しました。2021年3月31日に出来上がり写真を差し替え、本文を加筆、作業写真を追加、材料の量を冨沢商店のもち米の粉の現行の包装量(200g/袋)に合わせて調整しました。