デイリー・レシピ~鶏団子のクリーム・シチュー R#086


寒い冬が終わって春が近づくと、さまざまな春野菜がスーパーなどの店頭に並ぶようになります。この料理に使った芽キャベツもそんな春野菜の一つ。まだまだ温かい食事が欲しいうちに、野菜たっぷりのクリーム・シチューを作りました。出来合いの市販のクリーム・シチューの素は便利ですが、どれもラード(豚脂)がたくさん含まれています。健康維持にはラードを全く使わないクリーム・シチューが欲しいので、手作りのハーフ・アンド・ハーフを使った健康的なクリーム・シチューを考えました。ハーフ・アンド・ハーフは生クリームと牛乳で簡単に手作りできます(ハーフ・アンド・ハーフの作り方、レシピ参照)。シチューの具の野菜は定番のじゃやいも、にんじん、玉ねぎ、しいたけに、季節野菜のカリフラワーと芽キャベツを加え春らしさを演出したつもり。鶏団子は簡単に手作りできますが、時間がないときは市販の出来合いの鶏団子でもそれなりに美味しく出来ます。カリフラワーはそのままだと煮込むうちに崩れてしまいますが、このレシピのように強力粉を入れた熱湯で軽く湯がいてから使うと形が全く崩れません。こんな下処理のひと手間を惜しまないことで、料理の出来上がりに大きな違いが出てきます。欧米の一般家庭では寒い季節の間は、シチューや煮込みスープのような作り置きできる鍋料理が主な食事になるようですが、手間を省けるというだけでなく、経済上の理由からも何日分かを一度に作れるこのような料理が好まれるようです。この料理も他の多くのシチューやスープ類と同じく、作ったその日よりもさらに一晩置いてからの方がずっと美味しく召し上がれます。特にクリーム系のシチューは味が淡泊なだけに、具に味が滲みこむのに時間がかかるので、その傾向が強いようです。私の家では普通三回の夕食に充てることができる量をいっぺんに作り置きします。作るときは手抜きをせずに手間と時間を十分にかける必要があるとしても、二日間は夕食作りから解放されるので、多忙な主婦にとっては大変ありがたいレシピといえるでしょう。

材料:(4~5人分)

鶏もも肉(350g前後) 1枚
パルミジャーノ・チーズ 大匙2
おろししょうが 小匙2
カリフラワー 1株
じゃがいも(男爵系) 中2個
にんじん 中1本
たまねぎ 大1個
しいたけ(中サイズ) 10個
芽キャベツ 5個
オーネ・ハーブ・ブイヨン(6g/袋) 18g
白ワイン 大匙2
ローレル(葉) 3枚
サラダ油 大匙1
ハーフ・アンド・ハーフ(そのレシピ参照) 300㎖
強力粉 大匙3
片栗粉 小匙1
適量
あらびき黒こしょう 適量


作り方

1.鶏肉団子を作る。フッド・プロセッサーに鶏もも肉、おろしたパルミジャーノ・チーズ、おろししょうがを入れ攪拌する。ふつうの鶏ひき肉より細かく。直径2.5センチくらいの鶏団子を作る。まわりに片栗粉をかるくまぶしておく。市販の出来合い鶏団子でも代用できる。

2.ハーフ・アンド・ハーフを作る。生クリーム100mlと成分無調整牛乳200mlを容器に合わせ、よく混ぜておく。

3.たまねぎは半分に切って薄切り。しいたけは石突と茎を取り除く。傘を半分にっ切る。カリフラワーは適当な大きさの小房に分ける。鍋に湯を沸騰させ、強力粉大匙3を入れ攪拌する。カリフラワーを下向きに鍋に入れてさっと湯通しする(写真1)。すぐにざるに移して湯をきる。加熱しすぎないこと。

4.皮をむき、一口大に切ったじゃがいもとにんじんはそれぞれ別に水にさらして、あくぬきをする。鍋に湯を沸かし、にんじんを先に入れて茹で始める。にんじんにようやく竹串が通るようになったらじゃがいもを入れ、じゃがいもにも竹串が通るくらいまで茹でる。ざるにとり湯をきる(写真2)。芽キャベツはさっと水洗いをし(写真3)、茎に近い側と反対の、丸い頂上部分に十文字に切込みを入れておくと味が滲みこみやすくなる。


5.十分な大きさの煮込み鍋にサラダ油を入れ、たまねぎが透明になるまで中火で炒める(写真4)。1.の鶏団子を加えて転がしながら炒め表面を固める。次に、にんじんとじゃがいも、ローレルを加え、混ぜながら炒める(写真5)。全体に火が通ったら、カリフラワー、しいたけ、白ワイン、次に芽キャベツを加え、更に混ぜながら炒める(写真6)。


6.900mlの湯に溶いたハーブ・ブイヨンを注ぎ入れる(写真7)。具とスープのバランスを見て、必要なら適宜湯を加える。塩こしょうして味見をし、よければ蓋をして中火強で沸騰させる(写真8)。沸騰したらすぐ弱火に落とし、最後にハーフ・アンド・ハーフを注ぎ入れる(写真9)。ハーフ・アンド・ハーフを入れたら、その後は弱火で数分熱を通すだけでよい(写真10)。煮すぎると乳脂肪分が分離しやすくなる。


メモ:

パルミジャーノ・チーズの代わりに、市販の粉末パルメザン・チーズでもよい。ローレルは、はずれ落ちた芽キャベツの葉と紛らわしいので、調理後に取り除く。一晩おいて翌日温め直す際は、沸騰する寸前で火を止めること。

リニューアル情報:このレシピは2021年3月21日に出来上がり写真を差し替え、本文を改訂材料と作り方の一部も変更、作業途中の写真を追加しました。タイトルも”ミルク・シチュー”から"クリーム・シチュー”に変更しました。