アーリオ・オーリオはなぜ基本なのでしょう。それは、そのひと手間をかけておくと、にんにくの香りがオイルに移って料理がおいしくなるだけでなく、食事中もその後も、にんにくの匂いが気ににならなくなるからです。地中海料理は作りたいけど、にんにくの匂いが苦手という人が少なくありませんが、料理の最初のステップでアーリオ・オーリオをやっておけば、にんにくのおいしさと栄養だけを抜き出して料理に生かすことができるのです。私は、アーリオ・オーリオは、ほんとうにすごい発見(?)だと思います。地中海沿岸に住む人たちは、数千年も前の時代から、こんなに素晴らしい料理法を知っていたのでしょう。
料理のレシピ本やネットの料理サイトのレシピに、にんにくを誤解してしまいそうな記述がいまだに多いのは本当に残念です。にんにくは正しい下ごしらえをすれば、それを使った料理を食べても、匂いが残ることはありません。もし残るとすれば、それはこのブログで紹介するような下ごしらえ(アーリオオーリオ、ソフリート、ミルポワ)をきちんとやっていないからです。フランス料理の殆どのレシピ(デザートを除く)ににんにくが使われているといっても間違いではありませんが、フランス料理がにんにく臭いから嫌いという話はあまり聞きません。イタリア、スペイン、ギリシャ料理も同じです。にんにくは料理の味と香りを引き立てる魔法の杖なのです。にんにくの正しい使い方を憶えて、限りなく豊かな地中海料理の宝庫の扉を開けてください。
アーリオ・オーリオ(地中海料理のための下ごしらえ)
材料:パスタ料理2人分に使う量
にんにく 1片
オリーブ・オイル 大匙2
作り方:
3.鍋を傾け、にんにくがオイルの中にすっかりひたるようにしたまま、強火にかける。オイルが沸々と小さな泡を立ちはじめたら中火に落とす(写真C)。
4.これでにんにくの香りがオイルに移る。にんにく全体に写真D程度の焼き色がついたら火を止める。にんにくの美味しい香りが鍋から立ち昇っている筈。これくらいの色加減で香りがオイルに移っているが、もう少し加熱を続けて下の写真Eぐらいまで焦がすのもお勧め。にんにくの香りと美味しさがより深まる (このブログの作者はいつもこうしている)。
できあがり。この後、あなたが作りたいあらゆる料理のステップへ続ければよい。