エンチラーダはトルティーヤを使ったメキシコ料理の一つですが、ここでは唐辛子の利いたエンチラーダ・ソースの代わりに、このブログの別レシピで紹介している、イタリアのビーフ・ラグー・ソースを使って新しい味の創造に挑戦してみました。キャセロールのような器にフィリングを包んだ筒状の具を並べ、ソースとチーズで覆ったものをオーブンで焼くという点では、エンチラーダは、イタリアのラザニアやカネロニ料理と多くの共通点があります。ソースが変わってもきっとおいしくできるに違いないと試してみたのですが、結果は期待以上の傑作レシピの誕生でした。生地のコーン・トルティーヤ、具の潰した赤いんげん豆(レッド・キドニー)はメキシコ生まれ、筒状のトルティーヤを覆うメインのソースとシュレッド・チーズはイタリア生まれ、その両方がこんなにも調和するというのも、やはりラテン系の国同士だからでしょうか。ぜひお試しください。トルティーヤはとうもろこしの粉でできたコーン・トルティーヤを使いましたが、最近たいていの大手スーパーでもみかける入手しやすい小麦粉のフラワー・トルティーヤでもできます(味は少し劣りますが)。スパイスのチリ・パウダーとクミンシードは絶対に外せません。これだけは必ず入れてください。あとはお好みで辛いのが良ければチリ・ペッパーを使うか、唐辛子を加えてください。このレシピどおりなら辛くはないのでお子さんでも召し上がれます。コーン・トルティーヤは冷凍ものが多いようですが、その場合は時間をかけて完全に解凍してください。それでも固すぎるときは、電子レンジでさっと温めると柔らくなります。固いままだと具を包むときに割れやすいので。
このブログで人気のレシピ、ビーフ・ラグー・ソースの新しい活用法の登場です。
材料:(4人分)
コーン・トルティーヤまたはフラワー・トルティーヤ(5インチ前後) | 8枚 |
ビーフ・ラグー・ソース(別レシピ) | 500g前後 |
レッド・キドニー(水煮缶) | 1缶(固形量140g) |
ピーマン | 2個 |
たまねぎ | 小1個 |
にんにく | 大1片 |
チリ・パウダー | 小匙1 |
クミンシード | 小匙1 |
トマト・ピューレ | 大匙4 |
塩 | 適量 |
粗挽き黒こしょう | 適量 |
オリーブ・オイル | 大匙1半 |
白ワイン | 大匙2 |
シュレッド・チーズ | 200g前後 |
作り方:
2.トルティーヤは冷凍なら完全に解凍し、それでも固めのときは皿の上に載せて電子レンジの温め機能で温めると柔らかくなる。
3.レッド・キドニー(水煮缶の中身、写真2)は、余分な水をきってから、すり鉢か陶器の椀の中でフォークの背を使って潰す。全体がペースト状になるまで丹念に潰すこと(写真3)。
5.キャセロールのようなグラタン用の容器の内側にパターを塗る。ビーフ・ラグー・ソースの一部100gぐらいを容器の底に敷く。トルティーヤが焦げ付かないようにするため。
8.残りのビーフ・ラグー・ソースを全部トルティーヤの上に注ぎ、全体にならす(写真10)。
10.予熱あり180度Cのオーブン上段で表面に軽く焦げ目がつくまで熱する(25~30分くらい)。写真12は焼きあがってオーブンから出したところ。
メモ:
フライパンで炒める具材の味は濃いめに仕上げた方が美味しい。スパイスもトマト・ピューレも少し多すぎかなと思うぐらいで良い。塩・こしょうの前後に必ず味見をしよう。
シュレッド・チーズはお好みで。モッツアレラかパルミジャーノなら最高。
このレシピは2022年4月12日に以前の「バゲットのタルティーヌ R#062」と差し替えました。