久しぶりにドルチェを作ってみました。パンナコッタはイタリアの代表的なデザートですが、日本では滅多にお目にかかれないような気がします。材料も手に入りやすいし、作るのも簡単、そしてなによりも口当たりが清々しく、さっぱりとした甘さで万人向きだとおもうのですが、なぜか人気が出ないのは不思議ですね。今回は今の季節に沢山出回っている洋梨の赤ワイン煮と合わせてみました。でも主役は洋梨ではなく、パンナコッタなんです。なぜって、洋梨の赤ワイン煮はよく知られているので、パンナコッタをもっと作って貰いたいから。それに、このブログは地中海料理のブログですもの。パンナコッタだけを作る場合は、一人分ずつ小さめのカップに流し込んで固める方が扱いやすいです。パンナコッタとはイタリア語で生クリームを熱するという意味だとか。材料は生クリーム、グラニュー糖、板ゼラチン、バニラ・オイルのたった4品だけ。たったこれだけの材料でこんなに美味しいものを考え出すなんて、本当にイタリア人には美食の遺伝子が伝わっているのかもしれません。なんといっても、あのアイスクリームを発明したのもイタリア人ですからね。
ここで洋梨について一言。最近は洋梨もラ・フランス一色ではなく、改良種のル・レクチェとか、バートレット、高級品種のレッド・バートレット、オーロラ、メロー・リッチなど変わり種もすこしずつ市場に出てくるようになりました。でもラ・フランスが圧倒的(栽培面積で65%とか)に多いのはうなずけません。なぜってラ・フランスが一番おいしいとは言えないからです。洋梨の本場であるフランスではもうラ・フランスは栽培されていないという話しを聞いたことがあります。もっとおいしい洋梨の品種が沢山出回っているからです。日本の市場も海外並みにもっと品種にバラエティが増えて欲しいと思います。ラ・フランスだけが洋梨じゃない、もっとおいしい他の種類の洋梨を応援したいと思っているのは私だけでしょうか。
とはいえ、この洋梨のワイン煮には、木熟の皮が黄色味を帯びたラ・フランスなら結構美味しく出来ます。赤ワイン煮にしてしまうと、洋梨の品種の違いはさほど目立たなくなるので。